2024年 4月 26日 (金)

高騰ウナギかば焼き「稚魚シラス」密輸横行!香港経由で台湾もの日本へ・・・1キロ200万円

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

   ウナギの値上がりが止まらない。文字通り「うなぎのぼり」の原因は、シラスウナギ(稚魚)の激減だ。それでも「欲しい」となれば、「不透明流通」が幅を利かせますます高値となる。「白いダイヤ」と言われるまでになった。「クローズアップ現代+」が密輸ルートをたどった。

   ウナギの99%は養殖だ。シラスの8割は香港から来ている。11~12月は仕入れの季節だが、値段が5年間で3倍以上になったと三重・松阪市の養鰻業者は泣く。いまや1キロ200万円だ。香港で何が起こっているのか。

台湾の密輸業者「日本人が電話で値段を交渉してくる」

   香港の漁港にシラスウナギは1匹もいなかった。付近の海では獲れないのだ。ところが、郊外にうなぎの輸出施設があった。大型の水槽にはシラスがいっぱいいる。「どこから来るんですか」と聞いても、「いろんなルートがあるが、具体的にはわからない」と話す。彼らも「出所を聞いても、量しか教えてくれない。あえて知る必要もない。注文受けたら要求通りにやるだけだ」という。

   手がかりは日本の貿易統計にあった。日本の香港からのシラスの輸入は、2008年から9年連続で2000キロ以上だが、07年以前はほとんどゼロだった。それまでは台湾からの輸入だったが、台湾は07年に自然保護のためシラスの輸出を禁じた。それをきっかけに香港からの輸入が急増した。

   台湾では11月にシラス漁が解禁され港は賑わっていた。シラスが300~400匹入ったビニールの袋が約10万円だ。10年で7倍になった。輸出禁止でシラスは台湾国内で育ててから流通するはずなのだが、ウナギの養殖・流通業者の団体は大部分が行方不明だという。12年のシラスの漁獲は3.2トンだが、台湾で養殖しているのは0.8トン。あとは海外へ密輸出といういわけだ。

   密輸をやっている人物が取材に応じた。「求めるのは日本人。日本人が電話で値段を交渉してくる。ほとんど全部が香港を経由して日本へ輸出されてる」と話す。

   ルートの一つが金門島だ。中国本土からわずか2キロ。かつては中台対決の最前線だったが、今や大陸から年間30万人が訪れる。シラスは観光客の手荷物に入れられて、客船でアモイへ渡る。手荷物の検査はない。取材班も試みたが、ノーチェックだった。業者は1回に20キロ、数千万円相当を持ち込む。アモイからは陸路で香港だ。

   その氷山の一角が明るみに出た。台湾北部の空港で32万匹のシラス、6000万円相当が摘発されたのだ。香港行きの預け入れ荷物から見つかった。一般客に混じってシラスが密輸されていた。

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