高騰ウナギかば焼き「稚魚シラス」密輸横行!香港経由で台湾もの日本へ・・・1キロ200万円
放置すれば3年後にはニホンウナギの取り引き全面禁止
取材したNHKの黒瀬総一郎記者は「台湾から持ち出すまでは密輸ですが、香港からは合法的に日本へ輸出されているわけです」と話す。
鎌倉千秋キャスター「ウナギロンダリングですね。よくスーパーで『国産』と言ってますけどね」
さかなクン(東京海洋大学客員准教授)が解説した。「稚魚は外国からでも、日本で飼育すれば国産です」
10月(2016年)のワシントン条約会議は、これを「不法取引だ」として実態調査をすることが決まった。
鎌倉「もし改善されなければ、3年後にはニホンウナギの取り引きが全面禁止になるかもしれません」
日本が特別なのは土用の丑の日。7月にとんでもない消費のピークがある。マリアナ海溝から回遊するシラスは、11、12月に台湾沖、日本沖へは1、2月に来る。ウナギはシラスを仕入れて半年で育てるが、台湾ものはちょうど丑の日に間に合うのだ。
この偏った消費サイクルを見直す動きが出ている。前出の松阪の養殖業者は養殖開始を2、3月にずらした。出荷は丑の日を過ぎてしまうので、売り値は安くなるが、シラスの仕入れ値が安くなり、ゆっくり養殖すると採算は取れるという。うなぎ店でも丑の日を特別扱いしないところが出てきた。「1匹、1匹を大切にし、伝統を後世に伝えるのが絶滅危惧種を売る責任でしょうか」と店長は言う。食文化を守るには、消費の仕方を変える必要があると語った。
さかなクンは「シラスは何千キロも旅をして、5年も10年もかかって育つ魚なんです。ありがたく、感謝して食べたいですね」という。そう、スーパーでパックで売ってたりするものじゃないんだろうね、本来は。
ヤンヤン
*NHKクローズアップ現代+(2016年12月1日放送「『白いダイヤ』ウナギ密輸ルートを追え!」)