保険料を余分にとり、さじ加減で還元する仕組み
「3利源」とは生命保険会社の利益の源泉を表す指標で、契約者に約束した利回りと実際の運用の差を示す利差益、予定した営業費用と実際にかかった費用の差を示す費差益、そして予定死亡率と実際の死亡率の差から生まれる死差益の3つの要素からなる。言い換えれば生保商品はリスクを高く見積もり、契約者から保険料を余分にとっておき、差額をさじ加減で配当として契約者に還元する仕組みになっている。
これが明るみに出てしまうと、儲けすぎだ、という批判を誘発しかねない。だから、業界は開示には慎重なのだ。
最近では、予定利率よりも実際の運用が下回り「逆ざや」状態にある。現在はこの逆ざや額と3利源を合算した金額である「基礎利益」を開示しているだけで、死差益と費差益の個別開示を頑なに拒んでいる。「配当圧力につながりかねない」「配当は基礎利益だけでは決まらない。基礎利益の詳細開示はかえって誤解を招きかねない」などいう理由からだ。
注目されたT&Dの決算発表で、T&Dホールディングスの池田邦雄代表取締役専務取締役は「現在のところT&Dグループは3利源を開示する予定はない」と明言した。それでも業界内には「最大手の日本生命も開示に踏み切る準備をしているようだ」などと疑心暗鬼になっている。