元日本テレビの人気アナウンサー、藪本雅子さんのブログに、内容を批判するコメントが殺到し「炎上」状態だ。若手男性アナの「パンツ盗撮」を擁護したとも受け止められかねない内容で、いったん削除した。が、それがまた批判の嵐を呼び込んでしまうという異常事態に、とうとう「ギブアップ」に追い込まれた。英国在住の藪本雅子さんのブログ。日本国内の空気を読みそこなって大炎上藪本さんは91年にアナウンサーとして日本テレビに入社。『スーパージョッキー』『夜も一生けんめい』などのバラエティー番組に出演したほか、「DORA」というグループを結成してCDもリリース。いわゆる「女子アナ」の先がけとして人気を集めた。98年から退社する01年までは記者として活躍、ハンセン病問題などを追った。「パンツを見られない努力をしなさい!」さて、炎上しているのは、2006年5月19日の、後輩アナの盗撮事件について書いた「盗撮で思う」という記事だ。盗撮事件の経緯はこうだ。各紙が神奈川県警戸部署の調べとして報じたところによると、日本テレビの炭谷宗佑(すみたにそうすけ)アナウンサーが06年2月20日午後3時ごろ、横浜駅(横浜市西区)の自由通路の上りエスカレーターで、前に立っていた女子高校生のスカートの中を携帯電話のカメラで盗撮した。パトロール中の鉄道警察隊が犯行を目撃、取り押さえて戸部署に引き渡した。事情聴取に対して「むらむらして興味本位でやった。申し訳ない」と容疑を認めたという。神奈川県迷惑防止条例違反で書類送検され、5月2日に起訴猶予処分となった。この事件について藪本さんは、「ミニスカートをはいている子達は、パンツを見られない努力をしなさい!」「基本的には男っていうのは、女の子のパンツが見たい」「日テレの彼も、社会的制裁はうけたでしょ」などと書いた。すると、「盗撮された女性にも非があるといわんばかりだ」「身内に甘い」と、批判のコメントが大量に書き込まれたのだ。「これまでいかに甘やかされてきたのか、己の無知と無恥に気づかされる機会がなかったのか、よくわかるというものだ。」「この女、バカじゃないか?『じゃないか』と言うより、バカだね。真正の」「あんなこと書かなきゃよかった。もうこれで終わりにさせてください」罵詈雑言(ばりぞうごん)の嵐だ。その数、25日17時現在で1,783。2ちゃんねるなど、ネット上の各種掲示板でも藪本さんを非難する声が相次いだ。ブログのコメントに驚いた藪本さんは、いったんこの記事を削除したが、これがさらに批判を呼んだ。そのため、5月22日には「逃げも隠れもいたしません。」と削除した記事を復活、「返信」という記事で経緯を説明した。そうすると、一部には「藪本さんのおっしゃっていること私は理解できます」「そりゃ元アナウンサーとはいっても一個人が書いてるブログ。あんまり攻めるなよ」と、藪本さんを励ますコメントが見られたものの、やはり騒動は収束せず、5月24日には「終わりにさせてください」というタイトルの記事を掲載した。「あんなこと書かなきゃよかった、って今頃後悔しても遅い・・。でも、もうこれで終わりにさせてください。」と、事実上の「敗北宣言」に追い込まれた。どうしてこんなことになってしまったのか。英国在住の藪本さん自身が24日、夕刊フジに対してコメントを寄せている。「日本の空気が読めなかったですね。日本の報道に接することができないので、ネットで記事をたまたま見つけて思うことをそのまま書きました。タイミングが最悪でしたでしょうか」と、「空気が読めなかった」ことを「敗因」に挙げている。一見正論に見える部分もある藪本さんの書き込みも、日本の「ネット社会の異常な空気」には合わなかったようだ。
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