2024年 4月 25日 (木)

ヒュンダイモータージャパン
朴炳允(パク・ビョンユン)代表取締役社長インタビュー

来店不要なのでコロナ禍でも安心!顧客満足度1位のサービスとは?

※この記事は、記事「現代自動車 日本で本格展開」の詳報です。

――新社長に就任されて3ヶ月ですが、ヨン様を使ったキャンペーンが話題になるなど、すでに日本市場での手応えを感じているのではないですか。

「いやいや、仕事の重さと、経営者としての責任を感じて大変です(笑い)。そもそも我社が2000年に日本に進出した狙いは、日本市場が世界でアメリカに次ぐ600万台という巨大マーケットというだけでなく、いろいろな面で世界で一番厳しい市場のため、ここでどう実績を作れるか、ということでした。日本で成功しなければ優秀な世界企業になったという証が得られないからです。世界で一番クオリティーに敏感で、自動車に対して厳しい目を持つ国です。ヒュンダイは世界で売上を伸ばし世界7位の自動車メーカーと言われるようになりましたが、日本ではまだまだ。売り上げ目標の半分程度しか手が届いていません」

――その理由をどう分析されていますか。

「日本に進出した00年頃は、クオリティーのレベルがまだまだだったんです。それまでの企業の方針としては、韓国車は日本車よりも“低価格”が一番の武器と考え、価格で勝負しようとしていました。でも、それでは世界で戦えない、販売台数が伸びないということがわかったんです。特に日本市場ではそうでした。その上、サービスも充実していなければ車は売れない。
それで会社は大きく方針を変え、クオリティーの追求に邁進します。経営のトップ自らが直接工場など現場を回り調査、指導し、クオリティーを管理するシステムにもしました。そうしたら社内の雰囲気や意識がガラリと変わったんです」

――自動車調査会社のJDパワー・アンド・アソシエイツによる06年6月新車初期品質調査でも、ブランド別では1位に「ポルシェ」が選ばれ、昨年トップだった「レクサス」が2位、次いで「ヒュンダイ」が3位となり、4位の「トヨタ」ブランドを抜きました。

「アメリカでの評価ということもあって、日本ではそれほど伝わっていない、というか話題になっていないのは残念です。でも、日本車より優秀とは言いませんが、クオリティー、パフォーマンスではもう日本車に負けません。故障も少なく、アメリカではリピーターが非常に増えています。品質基準や管理は世界でトップだと自負しています」

――そういうこともあって、日本で本格的な販売戦略を展開するわけですね。

「クオリティーが上がっても、日本では販売が伸びず、当初年間5,000台の目標にしていたのですが、05年まで販売台数が2,500台前後なんです。これをなんとかするためには、まず認知度を上げ、乗車して試してもらうことが必要です。直接乗ってもらえばいいと感じていただけると思います」

――そういえば、ぺ・ヨンジュンさんをイメージキャラクターにした「ソナタ」車や、「とりかえっこキャンペーン」が注目されていますよね。ヨン様はCM出演を快く受けたのですか。

「ヒュンダイは日本では知名度が低いですが、韓国の代表的企業ですから、ペさんにとって名誉なことだったでしょう。ここにも挨拶に来ましたよ」

――昨年9月に日本で新発売した「ソナタ」車はいわゆる「冬のソナタ」から命名したのですか。

「違いますよ。まぁ、そう言われるあたりヒュンダイの認知度が低い証拠かもしれませんが、ソナタはヒュンダイの代表車で、85年から発売してこれで5回目のフルチェンジです。冬のソナタの人気にあやかったのではありません。逆に、ドラマのほうが真似をしたんじゃないですか(笑い)」

――さて、新社長としてこれから販売台数を伸ばすための今後の戦略は。

「ディーラー網の拡大です。現在は57拠点ありますが、この程度では結果が出せません。まだ拠点のない県もたくさんあり、日本全国をカバーするために、1県について2箇所は必要です。今後2~3年で国内100拠点にすることが急務と考えます。
また、ヒュンダイは世界戦略で、今後5年間で車種を1.5倍に拡大します。日本市場には今6車種を投入していますが、まだミニバンがない。需要が高い車種ですので、できるだけ早い時期に発売ができればと考えています。ただし、これらと並行してしなければならない重要なことは、やはり認知度のアップなんです。知ってもらい、乗って試してもらうことです。リピーターを増やし、2010年には年間販売台数が1万台になることを目標にしています」

――今年5月から始めた「とりかえっこキャンペーン」がまさにそれですね。自分の車とヒュンダイ車を1週間交換できる。

「もう1,500~2,000組の応募が来ています。乗っていただいたお客様がヒュンダイ車の良さを知ってもらい、ヒュンダイ車の良さが口コミで広がってくれたら嬉しいです」


朴社長の経歴

朴炳允(パク・ビョンユン)社長がヒュンダイモータージャパンの代表取締役社長兼CEO に就任したのが06年4月。ソウル国立大学工学部を卒業後、86 年に現代自動車(ヒュンダイモーターカンパニー)に入社し、購買、マーケティングなどを担当。99 年現代自動車日本事務所に赴任し、00 年1 月ヒュンダイ モーター ジャパン株式会社の設立に伴い、マーケティングチーム長に就任するなどの経歴を持つ。ソウル特別市出身。61 年生まれの44 歳。

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