2024年 4月 19日 (金)

テレビ局出資規制 朝日、日経が「抵抗勢力」

   総務省のデジタル化の進展と放送政策に関する調査研究会が、民間の放送局が持ち株会社を設立して複数の放送局を傘下に置くことを認める報告書をまとめた。地方局の経営を支援するのがねらいだが、新たに盛り込まれた株の出資規制によって、保有株を手放す対応が求められるテレビ朝日テレビ東京の最大株主である朝日新聞日経新聞は猛反発している。

   同放送政策研究会は地上デジタル放送が完全デジタルに移行する2011年7月が迫るなか、1つの企業が複数の放送局の大株主になって経営を支配することを禁じた「マスメディアの集中排除原則」の緩和を検討してきた。財務基盤が弱い地方局がデジタル化の投資負担に耐えられるようにするのがねらいだ。

ネット大手の楽天も反対

日経新聞、出資規制に猛反発
日経新聞、出資規制に猛反発

   最終報告は持ち株会社を解禁して(1)傘下にキー局と系列地方局が子会社として連なる(2)ラジオや衛星放送などのメディアも子会社になる(3)複数の地方局同士が傘下に入る-という3つのケースを例示。総務省は来年の通常国会に放送法改正案を提出、07年度中に実施する。
   民放連は「経営の選択肢が増える」と歓迎ムードだ。ただ、「緩和」の一方で、報告書に盛り込まれた「20%以内」という新たな出資規制をめぐって朝日、日経など民放キー局の主要株主が猛反発している。TBS株の19%超を保有するネット大手の楽天も「放送と通信の融合の流れに逆行する」と反対している。

   この20%規制を盛り込んだのはライブドアや村上ファンドなどによる放送局買収劇がきっかけだった。公共性の強い放送局の買収が再び起こるのを避けるねらいがある。朝日と日経は現在、それぞれテレ朝、テレ東に対する出資比率が33%を超えている。
   報告書通りに法改正が行われると、テレ朝やテレ東が持ち株会社に移行した場合、朝日や日経は保有株を手放す必要が生じ、最大株主としての地位も権限も縮小する。新聞社の「植民地」としてずっとやってきた”天下り”も好き勝手にはいかなくなる恐れもある。

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