2024年 4月 26日 (金)

急伸するSMA 野村、大和、日興「億万長者」囲い込みに躍起 

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   野村證券大和証券日興コーディアル証券の証券大手3社のSMA(セパレートリー・マネジメント・アカウント=いわゆる、ラップ口座)の資産残高が2007年6月末で7000億円に迫った。各社とも中小企業のオーナーや医師、弁護士をターゲットに「この1年で急速に伸びている」(日興コーディアル)としている。SMAは1000万円(大和証券は5000万円)からの資産運用を対象にしているが、利用者の多くは「億万長者」。証券各社はその囲い込みに躍起のようだ。

お客がもうかれば証券会社ももうかる

証券各社は「億万長者」の囲い込みに躍起だ(写真はイメージ)
証券各社は「億万長者」の囲い込みに躍起だ(写真はイメージ)

   SMAは、証券会社と個人投資家が「投資一任契約」を結び、投資家が示した運用方針にそって運用する商品。「ラップ口座」といった方がなじみがあるかもしれない。「ラップ口座」を巡っては、証券会社が手数料を稼ぐため、投資家に無断で売買を繰り返す、といった不祥事が過去にあり、手数料の取り方が変わった。いまでは基本手数料のほかは成功報酬型になり、投資家がもうかれば証券会社ももうかる仕組みになった。

   「かなりの資産をもっているが、多忙なため金融資産の運用を考える時間がない」という資産家に対して、証券会社の専門家が密着してアドバイスや相談に応じながら、運用方針を決めてもらい、運用する。成功報酬型になったので、証券会社にしてみれば多くの資産を動かす投資家ほど魅力のある客になるわけだ。

   「億万長者」の囲い込みが活発になる背景には、2007年9月30日から本格的に施行される金融商品取引法があるともいう。この法律によって、金融商品のリスクに対する説明が不足し、それが原因でお客が損失を被った場合には、銀行や証券会社が損失を賠償するケースが増えるとみられている。リスクの説明には手間がかかることもあって、効率がいい「億万長者」へのアプローチを強めることになった。

   ある銀行系の証券会社の幹部は「同じ100万円の損失でも、虎の子を預けるような人と2、3億円を運用する人とでは受け入れられるリスクの許容度が違います。投資の初心者を取り込みたい気持ちはありますが、そこのリスクはかなり大きいんですよ」と説明する。

   たとえば、今回のサブプライム・ショックで株価が乱高下し、投資信託などでも損した投資家が出た。銀行や証券会社は内部ルールによって1件1件状況説明にあたっている。「いまのところ、大きなトラブルはありませんが、えてして『どうしてくれる』って言い込んでくるお客さんは虎の子を投資に回した人なんですよね」(証券会社の幹部)と苦笑する。

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