「特需は言いすぎです」
前出の地銀幹部は、「行員研修や行内マニュアルの策定、弁護士契約やらを含めると数千万円になる」と泣いている。しかも、法律の詳細が明らかになったのが7月末のこと。金融機関は追い込みをかけるが、ある第二地銀の幹部は「もう、間に合いませんよ」とあきらめ顔だ。3カ月の経過措置がとられるが、金融庁のほうは新たな金融検査マニュアルができ上がっており、10月から検査に入るところから運用を開始。違法が発覚すれば、業務改善や業務停止の命令が下される。
金商法は、これまで販売した金融商品にもその網がかかってくる。たとえば、ホームページ(HP)。これも広告にみなされるので、過去に掲載した商品案内にリスクの記載がなかったら「違法」になってしまう。HPの改訂作業も必要になるが、時間切れは必至なので、「とりあえず、削除します」(第二地銀の幹部)という銀行は少なくない。
パンフレットやポスターから約款や帳票類まで、銀行の「紙」がすべてといっていいほど変更されるので、印刷会社はさぞニンマリしているだろうとJ-CASTニュースは凸版印刷に話を聞いた。「全体的に増えているのは間違いないですが、特需は言いすぎです」という。とはいえ、同社は「企画・制作部門が早くから調査をはじめて金商法対策に取り組んできました。こちらから金融機関側に提案しながら進めています」と、大きなビジネスチャンスととらえている。
対応に苦しむ金融機関の陰で、シンクタンクや弁護士事務所、印刷会社やWEBの制作会社には追い風が吹いている。