2024年 4月 30日 (火)

外部の批判に耳を傾けない 相撲協会は存続の「土俵際」 

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どうなる? 北の湖理事長の銅像建立計画

   北の湖理事長に指導内容を伝えた松浪健四郎・文科副大臣は、会見で「尊い若者の命が亡くなったという重さと今までのとではかなり重量が違う」と、警察が事件として立件しようとしている今回の力士急死問題を重く見る姿勢を示した。松浪副大臣は、力士急死問題が事件として表面化する前、副大臣就任直後の07年8月末の段階で、協会の姿勢を批判していた。朝青龍のモンゴル帰国治療を認める、認めないで一騒動起きていたころだ。

   朝日新聞8月30日朝刊によると、松浪副大臣は「小さいときから培われた思想が(日本人とは)違うという理解が欠落している」「協会は、伝統、歴史、文化を言う資格はない」「財団法人として(略)ちゃんと運営してくれているか、見直していかないといけない」と述べた。朝青龍問題に対する協会の対応を巡り、少なからず国民に「いらだち」があったことをうかがわせる「苦言」と受け止められた。

   批判の声は協会に届いているのだろうか。協会広報部によると、力士急死問題に関して「相当な数」の電話が入っており、内容の大半は協会や時津風部屋への批判だ。担当者は「批判があることを踏まえ、きちんと対応する方針だ」と話した。

   一方、批判の声は高まるばかりだ。力士急死問題について、10月1日にはTBS系「朝ズバ!」で一時取材証を取り上げられた杉山さんが「これは朝青龍の問題とは次元が違いますが、大相撲の歴史の根幹を揺るがす事件です」と事態の深刻さを指摘した。9月28日には、日本テレビ系「スッキリ!!」でテリー伊藤さんが「いまの(協会)首脳陣は全部アウトですよ。新しい体制をつくらないと、相撲自体がダメになっちゃいますよ」と厳しい声を挙げていた。

   協会批判の矢面に立った形の北の湖理事長を巡っては9月21日、故郷の北海道壮瞥町の「北の湖部屋郷土後援会」が理事長の銅像を建立する方針を決めていた。力士急死問題を警察が立件する方針を固めた、とする報道が一斉に流れたのは9月26日で、その直前だったことになる。壮瞥町は、08年夏の洞爺湖サミットの会場洞爺湖に面し、サミット前に理事長の銅像を、と町内外からの寄付を集めることも検討していた。力士急死問題が大きく報道され、寄付を集めにくくなったのではないか。後援会の船田寅雄事務局長にこの点を取材すると、「(北の湖理事長が)故郷の(元)大横綱ということは変わらない」と、計画に「今のところ」変更はないことを明らかにした。

   協会は10月1日、力士急死問題で時津風親方から「事情聴取」を行った。「警察にお任せしているから」としていた方針を一転させた形だ。ようやく批判に対し「がっぷり四つに組んで」取り組む気になったのかどうか。

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