2024年 4月 23日 (火)

「セカンドライフ」で取り付け騒ぎ 仮想銀行閉鎖で換金不能

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   米リンデン・ラボ社が運営する仮想3次元空間「セカンドライフ(Second Life)」で、仮想銀行と仮想ATMの営業がストップされた。これらの銀行やATMは、「セカンドライフ」内で流通する仮想通貨「リンデンドル」を扱っている。しかし、仮想通貨でも現実の通貨・米ドルと換金可能なため、仮想通貨を失えば、現実の通貨を失うに等しい事態として受け止められ、大きな問題になっているのだ。

アバターが銀行に押しかける

なかには投資家への説明を入り口に掲げる仮想銀行もある
なかには投資家への説明を入り口に掲げる仮想銀行もある

   リンデン・ラボ社は2008年1月22日、「セカンドライフ」内の「リンデンドル」を扱うATMなどの銀行業務を全面中止する措置を取った。

   この前の2008年1月8日、同社公式ブログは、仮想銀行が「リンデンドル」について年率20~40%の高金利を約束しながら、その契約が履行されていないという非難が同社に寄せられたことを受けての措置だ、と説明している。これにより、金融機関として「現実世界」に存在する政府の証明がない企業などが運営する仮想銀行は、業務が禁止されることになった。

   1月8日のこの発表以降、銀行に「リンデンドル」を「預金」していたユーザーのアバター(ネット上の分身)が銀行に押しかける事態にまで発展。ATMが作動しなくなったために実際に多額の「リンデンドル」を失ってしまったしまったユーザーが多数いた模様だ。米紙「ロサンゼルスタイムズ」1月22日付けの記事では、現実通貨で400ドル相当のリンデンドルを失った女性アバターが紹介され、1月23日の「ウォールストリートジャーナル」では5ドルをATMから引き出せなかった男性が紹介されている。

   「セカンドライフ」でこうした措置が取られたのには、大きな背景がある。

   2007年8月には「セカンドライフ」最大の仮想銀行「Ginko Financial」が事実上倒産した。同行は年率40%前後の高金利を謳っていたにもかかわらず、債務が推定約75万ドル相当の約2億リンデンドルにまで膨らみ、預金の払い戻しができなくなった。もちろん、仮想空間に法律も裁判所もないため、預金者の仮想通貨は事実上、ゼロになった。

ギャンブルや「アダルト」禁止が響く

   多くの仮想銀行が、「セカンドライフ」内のギャンブルやアダルトショップでの収入を見込んで、高金利での資金運用をしていたことが要因との見方がもっぱらだ。というのも、リンデン・ラボ社は2007年に、世界各国の賭博法に抵触する危険があるとしてギャンブルを禁止し、児童ポルノ法に反するとして未成年の仮想「性行為」などに対してアカント削除などの厳正な措置を講じた。これらからの収入が見込めなったのが響いた。

   前出の1月23日の「ウォールストリートジャーナル」も、

「リンデン・ラボが"各国の賭博規制に抵触する"との理由から、同サイト内でのギャンブル運営を禁止したことがGinko Financialを直撃した。その結果、Ginkoは取り付け騒ぎを起こし、投資家たちの債務を負うことになった」

   と解説している。

   しかしその一方で、これまでユーザーの自主性に委ねていたリンデン・ラボ社がこうした「強硬策」に出たことへの不信感もあり、リンデン・ラボ社の「銀行停止措置」を発表した公式ブログでは、

「リアルライフ(RL)でできなくて、セカンドライフ(SL)でできることは何なわけ?今度は何が禁止されるのやら」

   といった書き込みが見られる。

   国内では、福井市の私立高校2年の少年(16)がオンラインゲームのサーバーに不正にアクセスし、約3600万円相当の仮想通貨を盗んだとして、08年1月24日に不正アクセス禁止法違反などの疑いで警視庁ハイテク犯罪対策総合センターに逮捕された。発表によれば、少年は仮想通貨を電子マネーに換金して、実際に物品の購入に当てていた疑いがあるという。

   「仮想通貨」が「現実」と深いかかわりを持つ時代になったのは間違いないようだ。

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