2024年 4月 26日 (金)

ブログは基本スキルが学べる だからチャレンジしてほしい
井上トシユキさんに聞く(下)

今後は既存メディアで活躍する人が出てきてほしい

――――これからブログはどうなっていけばいいのでしょうか。

井上   ブログをメジャーメディアに対抗するゲリラメディアとして、少しずつ成長させる「我慢」ができかなかった人が沢山いた、ということなんでしょうね。ビットバレーがあってITバブルが弾けて、ヒルズ族は残ったものの、76,77世代以降パッとしたビジネスネタが見つからないという状況のなかで、ブログに飛びついてしまった。ブログなら二次出版でも儲けられる、ひょっとして『電車男』みたいなコンテンツが出てきたら大儲けだ。そう期待して、早々にビジネスの俎上に乗せてしまったことが間違いだったんですよ。ビジネスだから、目指すところはハナから広告媒体になる。ということで、日本のブログは「メディア」としては最初から終わっていた、と(笑)。 言いたいことをきちんと言える人は、どんどん出てこなければいけない。いろんな人がいろんな意見を相手にわかるように表現する、というのは非常に大切。会社でも政治でも通用するスキルだからです。その最初の一歩としてブログにチャレンジする。炎上や批判を恐れ、ブログはブキミで難しい世界だと、書くハードルが高くなってしまうのは良くない。既存メディアも、ブログを新人発掘のツールぐらいに考えて、金銭的なバックアップをしてあげても良いかもしれません。あるいは、学園祭のスポンサー探しみたいに、自分で売り込んで経済的な担保を確保する人も出てくるかも。ゲリラメディアであるブログで腕を上げ、既存メディアで活躍するような人がどんどん出てくれば、新しい視点が社会に反映されるという意味でも良いですよね。

井上トシユキ(井上俊幸)プロフィール
1964年、京都市出身。同志社大学文学部卒業(1989)。会社員を経て、1998年よりジャーナリスト、ライター。TBSラジオ「アクセス」毎週木曜担当。著書は「カネと野望のインターネット10年史 IT革命の裏を紐解く」(扶桑社刊)「2ちゃんねる宣言 挑発するメディア」(文芸春秋社刊)など。


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