2024年 4月 20日 (土)

「キャバ嬢」は女性「憧れの職業」 ブログやテレビでアイドル扱い

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   キャバクラ嬢やホステスが、「女性憧れの職業」などとメディアで注目を集めている。キャバ嬢向け月刊誌はティーン誌の中で1~2位の人気を誇る。かつては「水商売」といわれ、マイナスイメージも強かったが、ブログやテレビでアイドル並みの扱いをされるキャバ嬢らが出てきて変わったようだ。

キャバ嬢向け月刊誌がティーン誌で1~2位の人気

武藤静香さんの公式ブログ
武藤静香さんの公式ブログ

   キャバクラの情報サイト「ナイトスタイル」には、人気のキャバ嬢が写真やブログで大きく紹介されている。まるでアイドル並みの扱いだ。

「最初は、男性しか見ないだろうと思っていました。でも、サイトでは、女の子が、女の子の人気度や、どこのキャバクラから異動したか、などを熱心にチェックしているんですよ」

   サイトを運営するグローバルワンの担当者、北村直樹さんは、こう明かす。サイトに来る女性はキャバ嬢やホステスの職業に興味を持っているといい、北村さんは「ブログの日記を読んだり、店の雰囲気を確認したりして、こんなところで働きたいと見定めるのでしょう」と話す。

   新聞各紙によると、民間のシンクタンク「カルチャースタディーズ研究所」が2007年7~8月に15~22歳の女性に職業希望調査をしたところ、「キャバクラ嬢・ホステス」がなんと11位に入った。公務員や看護師をしのぎ、高校生の20%、大学生の21%、正社員の33%が水商売を希望していたというのだ。

   これは本当なのか。ティーン事情に詳しいリサーチ会社では、こう答える。

「人気が出ているのは事実です。昔は、金のためにという悪いイメージでしたが、今では、ファッションショップ店員と並ぶようなきらびやかなイメージで見られています」

   その人気を演出したのがメディアだ。キャバ嬢向けに06年11月に誕生した月刊誌「小悪魔ageha」が、公称で35万部も出るほどになり、高級クラブのホステスから2002年に「銀座小悪魔日記」で作家デビューした蝶々さんの著書が次々にベストセラーになる。さらに、レコード会社などが「全国キャバ嬢アイドル化計画」を掲げ、08年に入って売れっ子キャバ嬢ユニットによるアルバム2枚を完成させた。

   リサーチ会社では、「小悪魔agehaはティーン誌で1~2位の人気で、キャバ嬢のステータスが高まっています。こうしたことで、抵抗がなくなってきているのでしょう」と分析する。

「ここ数年、面接希望者が増えています」

   そんな中で、テレビにも露出し、アイドル並みの人気になる月刊誌モデルやキャバ嬢も現れ始めた。

   小悪魔agehaの専属モデルをしている武藤静香さん(21)は、その一人だ。静香さんの公式ブログは5月20日時点で、人気タレントの多いアメブロのランキングで9位に入っていた。プロフィール欄では、「16~18までギャル雑誌 egg(エッグ)にでてて真っ黒でしたけど今は頑張って美白目指してます」と、ガングロギャルから白肌のキャバ嬢スタイルに変えたことを明かしている。

   ナイトスタイルのサイトでも、人気キャバ嬢のブログには多くのアクセスがある。その中で、人気ナンバー1になっているのが、新宿・歌舞伎町の「ラヴィジョア」に勤める倉田ゆいさん(26)。1週間で2万以上のクリック数を稼いでいるのだ。

   ゆいさんの日記は頻繁に更新され、「酒をあびる優」と書いたジョーク写真を着けたり、「昨日夜食でカツ丼食してしまったので、今日からダイエットはじめます」などと打ち明けたり、プライベートな生活も奔放につづっている。こうした身近な親しみやすさも、若い女性たちに支持されているようだ。

   ラヴィジョアの店長は、「アイドルのようなキャバ嬢に憧れて、確かに、ここ数年、面接希望者が増えています。女の子は『ここの店がダメなら次の店』とできるように仕事の間口が広く、就職活動の必要がありません。また、コスプレ主体の店、うちのように高級感が売り物の店というように、多様化が進んでいるのも、仕事として選びやすい理由でしょう」と話す。

   ただ、高収入のアルバイト感覚ではあっても、不安定で厳しい仕事ではあるようだ。若者が組合員の中心のある労働組合では、

「キャバクラ嬢やホステスの方からは、『賃金が支払われない』『売り上げが悪いから、損害金を支払えと言われた』といった相談がよく寄せられています」

と明かしている。

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