2024年 4月 19日 (金)

出版不況もどこ吹く風? 環境ビジネス誌のモテぶり

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   出版不況が言われる中で、最近「環境ビジネス誌」が注目されている。2007年11月に創刊した、その名も「環境ビジネス」や、08年4月から有料になった「オルタナ」といった新顔も出てきた。出版統計をとっている出版科学研究所は「環境問題に関心が集まるようになって、さまざまな環境関連雑誌が登場していることは確かです」と話す。売れ行きもよく、「環境ビジネス」という新たなジャンルを確立する勢いだ。

「環境ビジネス」「オルタナ」といった新顔も登場

   地球温暖化や二酸化炭素(CO2)排出量の削減といった文字がマスコミに登場しない日はないが、出版科学研究所によると、環境ビジネス誌というジャンルはなく、環境専門誌として分類しているのが現在6誌。発行部数で9000部から1万部ほど。「月刊 地球環境」(日本工業新聞社)や「環境と公害」(岩波書店、季刊)などは専門的で、ふつうのビジネスマンが読むにはちょっと苦労する。そんな市場に、「環境ビジネス」や「日経エコロジー」といった「やさしい」環境ビジネス誌が登場している。ほかに専門誌2誌があるが、「オルタナ」は含まれていない。

   出版科学研究所は、「地球環境が世界的な問題としてとらえられ、企業から注目されていることもあって、雑誌の特集企画も増えています。ただ、分類上は、たとえば『ソトコト』は総合誌ですし、女性向け環境雑誌の『ecocolo』は女性誌に分類しています。ここ数年で環境関係の雑誌が広がってきていることは確かですが、統計的には、まさにこれからジャンルを確立しようといったところでしょう」と話す。

   日経BP社の「日経エコロジー」の創刊は1999年で、学術誌や業界誌を除く環境雑誌のなかでは老舗的な存在になりつつある。2007年の発行部数は約1万6000部。「今年は前年を若干上回るペースで増えていて、部数は堅調に推移しています」(神保重紀編集長)という。企業経営者や環境管理担当者などを読者とした環境対策と環境ビジネスに関する専門情報誌として、「単なるブームに乗るのではなく、日本企業の競争力の向上につながる、有益な情報を冷静に伝えたい」と話す。

   「世界初の環境ファッション・マガジン」という「ソトコト」も創刊は99年。「ゴミ捨てるなよ!」を合い言葉にスタートし、スローフード、スローライフ、ロハスといった時代のキーワードを前面に打ち出しながら、「家庭でできるカーボンニュートラル」などのテーマを設定し、読者と行動をともにする企画で根強いファンを獲得していったようだ。

   この1年では、「環境ビジネス」が07年11月創刊。日本ビジネス出版が発行しているが、はじまりは03年8月に遡る。当時は宣伝会議が発行していたが、それを昨年11月に分社化して発行。現在の発行部数は4万5000部だ。

   2007年3月にフリーマガジンとして創刊した「オルタナ」は、1周年を迎えて4月号から有料化。2万人に配送していたものを、書店売りに変更。いま全国500の書店で販売している。発行部数は1万5000部。来春の月刊化をめざしている。

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