2024年 4月 29日 (月)

経営者の健康状態は開示すべきか アップルCEO巡って論議高まる

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日本でも重大な健康情報開示の規定はない

   一方、ジョブズ氏の健康状態は、プライベートな問題だとする米メディアもある。

   米CNETニュースの6月11日付日本語訳記事は、「ジョブズ氏の健康状態を勘ぐるのはもう止めよう」との見出しを掲げた。その中で、「(人の健康状態に関する)素人の憶測はあてにならないし、第一に他人に健康問題を論じられる筋合いなどない」「Jobs氏とその家族のプライベートな問題」だとして、「世間の騒ぎ方は常軌を逸している」と批判している。

   これに対し、アップル社の広報担当者は、ジョブズ氏が数週間前からよくある細菌に感染していて、抗生物質の投与で回復しつつあると説明している。米ウォール・ストリート・ジャーナル紙のブログ記事が、6月10日に報じた。また、米雑誌WIREDのブログ6月16日付日本語訳記事は、アップル社の株価下落について、「Apple社のイベント前の興奮状態が過ぎたあとによく見られる、イベント後の脱力感が原因になっているのかもしれない」と書いている。

   真相は不明だが、米国では、法的に健康情報を開示する義務はない。一方、東京証券取引所によると、日本でも、開示の定めはない。自主的に健康情報を開示したケースも、過去5年間ではないという。

   とはいえ、もしカリスマ経営者なら、重大な健康情報は開示すべきなのか。

   国際金融アナリストの枝川二郎さんは、こう語る。

「日本は、集団経営がほとんどで、ボスがいないと大変なことになる企業は少ないです。ごくわずかのそうした企業には、確かに『継承リスク』は言われますが、健康情報は、どこまで開示すべきか線を引きにくい。だから、現実的に開示は難しいですし、そこまでするべきかな、という感じはあります」

   ただ、役員の報酬は自主的に開示すべきだと指摘する。「日本では、役員のプライバシーだとして、開示しなくて済む仕組みになっています。しかし、会社の業績が悪いのにもかかわらず、役員報酬が高いことが多いようです。法律で定めていなくても、自主的に開示して、株主が投資の判断材料にできるようにするのがあるべき姿だと思います」

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