2019年 10月 20日 (日)

「もったいない」を「ありがとう」に フードバンク運動日本で広がる

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   食べられる食品は捨てずに生かす。「当たり前」と思えるフードバンクと呼ばれる活動が改めて注目されている。これまで東京や兵庫のNPO法人が行ってきた活動は、2007年から08年にかけて沖縄、広島などにも広まり、いま名古屋や北海道でもフードバンク設立の準備が始まっている。

   まだ食べられるのに「完璧でない」「市場性がない」からと捨てられていた食品を食品会社などから寄付してもらい、それがあれば助かる、という人たちに無償で届ける。もちろん、賞味期限が切れていない、安全に食べられる食品である。企業の社会貢献の新しい形としても、今後ますます関心を集めそうだ。

350トンの食料引き取り、約60の施設に配る

寄付された食品を仕分けするボランティアたち(東京・浅草橋のセカンドハーベスト・ジャパンで)
寄付された食品を仕分けするボランティアたち(東京・浅草橋のセカンドハーベスト・ジャパンで)

   フードバンクは米国で生まれ、40年以上の歴史がある。日本での草分けは、東京・浅草橋の「セカンドハーベスト・ジャパン」だ。2002年、今も理事長を務めるアメリカ人、チャールズ・マクジルトンさんがつくった。

   元軍人で宣教師、東京・山谷で野宿者問題とかかわり、自ら隅田川沿いでブルーシート暮らしも体験した、というユニークな経歴の持ち主だ。最初の年に配った食料はわずか30トンだったが、07年度は350トンもの食料を企業から引き取り、約60の福祉施設・団体に再分配したという。今年はそれを上回る勢いで、マクジルトンさんはじめ6人のスタッフが日々食品の配達などに追われている。協力してくれる企業も40社を超えた。

   倉庫には、さまざまな食品が並んでいる。賞味期限がまだ数週間先、ものによっては来年、再来年まで日持ちのする食品もある。梱包する外箱が少しへこんでしまった冷凍食品。ラベルが汚れた、印字がずれてしまった、という「傷物」の缶詰。「季節限定」を過ぎてしまったお菓子。どれも中身には問題がないのに、企業がわざわざ廃棄コストをかけて捨てていたものだ。英語にはない「もったいない」という言葉が、マクジルトンさんの口をつく。その「もったいない」を「ありがとう」に変えるのがフードバンクだ。

   食品を受け取るのは児童養護施設や女性シェルター、野宿者、難民支援団体など多岐にわたる。「わずかでも食費を浮かすことができ、その分、赤ちゃんのオムツやミルク代にあてられる」「好きなだけ食べていいよ、と初めて言われた」「育ち盛りの子どもたちをかかえ、食べ物はいくらあってもありがたい」といった声がマクジルトンさんのもとに届く。日本で難民認定を申請中で、ギリギリの生活を余儀なくされている人々にとっては、フードバンクから届く食べ物が文字通り命綱になっているそうだ。

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