2024年 5月 5日 (日)

「エコ活動」に異議申し立て 賛否両論の論争ヒートアップ

「バイオ燃料が環境破壊を引き起こす」

   この書籍の著者である武田邦彦・中部大学教授は、07年9月に続編である「環境問題はなぜウソがまかり通るのか2」(洋泉社)を、08年5月には「偽善エコロジー」(幻冬舎)を出版し、同様の主張を展開。同様に書評欄では賛否両論が飛び交っており、この問題に対する関心の高さをうかがえる。

   論争は読者レベルにとどまらず、07年12月には「リサイクル懐疑論」に対する反論本も出版されている。本のタイトルは、ずばり「"環境問題のウソ"のウソ」(楽工社)。武田教授の著書で利用されているデータの信憑性や、論理飛躍について検証した本だ。

   武田教授以外にも、「エコ懐疑論」を唱える動きはある。たとえば「週刊朝日」08年2月15日号では、「日本を覆う『ファディズム』を追え!」という特集を掲載。「ファディズム」とは「一時的な熱中による過大評価」を指す言葉だが、3ページ半にわたって「バイオ燃料が環境破壊を引き起こす」といった識者の主張が展開されている。

   それ以外にも、「文芸春秋」08年8月号では「エコ予算1兆円が食いつぶされる」との記事を掲載。地球温暖化防止のための予算が、環境省や厚生労働省の利権になっている実態を明らかにしている。

   「環境を守る」という目標に異論はないにしても、「エコ活動」の中身や手法をめぐる議論は、今後も尽きることはなさそうだ。

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