2024年 4月 28日 (日)

LAタイムズ発行元、破産申請へ 広告劇的落ち込み、米新聞業界存亡の危機

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「広告費に回すカネがない、という広告主が沢山いる」

   資金繰り悪化の主な原因とも言えるのが、広告収入の急激な落ち込みと、米国を襲っている金融危機だ。

   同じくトリビューン社が所有するロサンゼルス・タイムズ紙では、この側面に触れている。同紙では、トリビューン社の幹部が

「ここ数週間で収入が劇的に落ち込んだ。現段階では広告費に回すカネがない、という広告主が沢山いる」

と、背景を解説。さらに同幹部は、

「まだ(破産に至るまでには)何段階かある。会社や、従業員を含めたあらゆる利害関係者にとってベストな結果をもたらすための、あらゆる選択肢がある」

と、今後の見通しについては慎重な姿勢だ。

   さらに、ニューヨーク・タイムズは、資産の売却に向けての動きが頓挫したことを指摘。トリビューン社は、シカゴ・カブスとその球場、地元ケーブルテレビの株式などの売却を目指している。同紙によると、売却が実現した際は10億ドル(931億5000万円)以上の売却益が得られるとされ、同社の資金政策を支えるとみられていた。本来ならば、商談は野球シーズンが終わるまでにはまとまるものとみられていたが、金融市場が厳しさを増し、事実上の足踏み状態が続いている。

   トリビューン社傘下の新聞社以外でも、状況が苦しいのは同じだ。例えばニューヨーク・タイムズが08年10月に発表した08年7~9月期決算では、純利益が前年同期比51.4%減の650万ドル(6億1000万円)にまで減少しており、紙面を小さくし、記者の削減を進めるなどしている。また、クリスチャン・サイエンス・モニターは09年4月からオンライン版に移行することになっている(週末版は紙でも売り出す)。「ウィークデイは紙媒体からは撤退」ということになるだけに、業界には衝撃を与えている。

   構造的な広告不況という面では、日本の新聞業界も同様だ。世界的な景気悪化の影響で、日本の広告市場はさらに落ち込むのは確実とみられ、日本でも新聞の「倒産」が現実のものとなりつつある。

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