クリスマスシーズンが近づくと、例年のようにインターネットコミュニティーから聞こえて来るのか、「クリスマス中止のお知らせ」だ。独身者などが、シーズンの浮かれた様子を皮肉る運動のようなものだが、今年は「ニコニコ動画」上に関連動画も大量にアップロードされており、例年と違った盛り上がりを見せそうだ。「ジングルベル」の替え歌を「初音ミク」が歌う初音ミクの「中止運動」動画が人気を集めている「クリスマス終了のお知らせ」は、03年ごろからネット上に登場した話題で、「クリスマスは諸事情により中止になりました。本決定により、クリスマスイブも中止になります」といった文言とともに、サンタクロースの墓らしき画像が掲示板にアップロードされる、というもの。「サンタが死亡したのでクリスマスも中止」という、いわばブラックジョークのようなものだが、中止の理由は、毎年様々なバリエーションが登場する。例えば、「サンタクロースが逮捕されたため」「サンタがバカンスでハワイにいるため」「景気後退により、プレゼントを買うための資金が調達できなくなったため」といった具合だ。また、「ニコニコ動画」には関連動画がアップロードされており、人気を集めている。今年特に人気を集めている動画は、「ジングルベル」の替え歌を「初音ミク」に歌わせる、というものだ。歌詞は「商業の罠にはまり聖夜なんて笑わせるよ」「キリストを知らないのにクリスマスなんてナンセンス」「ジングルベルジングルベル今年のサンタは冬休み」などと皮肉に満ちたものだ。動画はすでに7万5000回以上再生されており、コメントも3000件以上が寄せられている。コメントでは、「大人になってから中止です」「初音ミクいいぞ」などと盛り上がりを見せている。「クリスマス粉砕デモ」が渋谷で計画される「中止運動」は、インターネット以外の「オフライン」でも行われている。「バレンタイン粉砕運動」などの活動で知られる「革命的非モテ同盟」は08年12月23日夜、宮下公園(渋谷区)に集まり、「12・23クリスマス粉砕デモ」なる活動を計画している。同同盟では、「クリスマスそのものの意義を否定するものではない」としながらも、当日は「クリスマス商業主義反対!!」「カップル粉砕!!」などといったスローガンをかかげながら、渋谷の町を練り歩くという。書記長の古澤克大さんは、「『盛り上がり方』については例年並みだという印象なのですが、近年、この問題についてネット媒体を中心に取り上げられることも増えていますので、注目度は確実に上がっているのでは」と、「中止運動」の広がりに期待を寄せている。
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