2024年 4月 25日 (木)

「フリーペーパー」不況で悲鳴 広告収入初の前年割れ

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   ピーク時は年間200誌も創刊されていたフリーペーパーが、不況の影響で広告が減り、苦境に立たされている。2008年の広告費は前年比3.8%減。統計を取り始めた05年以来はじめて前年を下回った。そんな中、20年の歴史がある「情報誌ぱど」が横浜と埼玉の5エリアで発行を週刊から隔週に減らす。業界関係者からは「広告が入らず、あちこちから悲鳴が上がっている」という厳しい実態が聞こえてくる。

「数字より実際はもっと厳しい」

   フリーペーパー「情報誌ぱど」を発行している、ぱど(神奈川県横浜市)は2009年5月発行分から、横浜と埼玉の5エリアで発行回数を週刊から隔週に減らす。3月3日に発表した。

   地域密着型情報誌として1987年にスタート、現在は家庭配布版の「情報誌ぱど」、ラック設置版の「ぱどタウンマガジン」や、オフィス配布版「ラーラぱど」、モバイル版、Web版があるが、このうち減らすのは「情報誌ぱど」。

   配布している部数は1号あたり約110万部。広報担当者によると、これまでもページ数や部数の見直しを行っていたが、回数を減らすことはほとんどなかった。「全体的に広告費が落ち込んでいるので、効率よく発行していく」と説明する。

   購読料を取らないフリーペーパーは広告費で成り立っている。載っている情報はすべて広告だと言っても過言ではない。

   電通が発表している08年の「日本の広告費」によると、08年1~12月の日本の総広告費は前年比4.7%減の6兆6926億円。「新聞」が12.5%減、「テレビ」が4.4%減で、マスコミ4媒体広告費(7.6%減)は4年連続で前年を下回った。経営が悪化して広告出稿を控える企業が続出したためだ。

   フリーペーパーも例外ではない。05年の推定開始以来はじめて前年を割り、「フリーペーパー、フリーマガジン」は3.8%減となった。

   日本生活情報誌協会(JAFNA)の専務理事は、こう語る。

「広告が入らず、あちこちから悲鳴が上がっています。電通が発表している3.8%減よりも、実際はもっと厳しいと思います。3月末には1割くらい下がるのではないか。部数、ページ数を減らして何とかやりくりできればいいが、廃刊、休刊もあるだろう」

生き残るには、地域密着に戻るしかない?

   全体的に広告費が減っているが、元気がいいフリーペーパーもある。

   スターツ出版は、クーポン付きで店舗情報を載せている「アエルデ」など複数のフリーペーパーを発行している。

   09年2月5日に発表した08年12月期(08年1~12月)中間決算短信によると、「飲食店等のクーポン付きフリーペーパーを展開している地域情報紙事業においてもほぼ予算を達成している」とあり、「アエルデ」が健闘しているようだ。

   「R25」「L25」「ホットペッパー」などを展開するリクルートは、無料情報紙「EX:JAPON(エクスプレスジャポン)」を09年1月19日に創刊。30~40歳代をターゲットにした週刊タブロイド紙で、経済関連の記事を載せている。裏面には沿線店舗の広告や特典情報も扱う。

   毎週月曜日に東急沿線東横線と田園都市線の渋谷や横浜など主要30駅で配布、発行部数は5万部。現在はテスト段階だが、配布範囲を拡大して4月以降に正式創刊する。

   前出のJAFNA専務理事は、

「新聞や雑誌が扱うのは大企業のナショナル広告ですが、フリーペーパーが扱っているのは主にローカル広告です。ナショナル広告は代理店が扱っているのに対し、ローカル広告は足で稼ぐ営業がものを言います。地域の広告にも多様な分野があるので、元気がいい業種に営業をかければいい。営業力次第で救いようがあります」

と話している。

   2000年から急増し、ピーク時は年間200紙も創刊されていたフリーペーパー。不況で広告が減り、今までの路線の軌道修正を迫られているのは確かだ。

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