2024年 3月 29日 (金)

「政府高官」としか書けない 「オフレコ懇談」とは何か

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   「政府高官」が「検察の捜査は自民党には及ばない」と発言したとされ、与野党から批判の声があがっている問題で、発言の主が漆間巌(うるま・いわお)官房副長官(元警察庁長官)だったことが明らかになった。この発言は、発言者を特定しない約束の、いわゆる「オフレコ懇談」でのものだが、オフレコ懇談での発言をきっかけに政治家が足をすくわれる例は少なくない。

新聞各社は「自民党に及ぶことはない」という点で一致

   発言は2009年3月5日、記者団とのオフレコ懇談の場で出たものだ。メモや録音は取らないことになっているが、ニュース価値がある場合は、発言者が特定されない形で記事化できることになっているとされる。漆間氏は、各紙によると

「自民党議員に波及する可能性はないと思う」(共同)
「自民党側は立件できないと思う」(朝日)
「自民党の方にまで波及する可能性はないと思う」(読売)
「この件で(東京地検が)自民党の方までやることはないと思う」(毎日)
「自民党に及ぶことは絶対ない。金額が違う」(日経)

   などと発言。オフレコ懇談での発言だったので、各社は主語を「政府高官」「政府筋」といった表現にして報じた。この発言に対して、与野党から批判の声があがると、各社は漆間氏に対して実名の記事化を認めるように求めたが、漆間氏はこれを拒否。そんな中でも、

「『自民側は立件できない』 発言の高官 民主、漆間氏とみて追及」(09年3月7日、朝日新聞)

と漆間氏の名前が報じられるなど、事実上「外堀」が埋められた形になった。翌8日には、河村建夫官房長官が、テレビ番組で、「政府高官」が漆間氏であったことを明らかにし、漆間氏に対して「発言は極めて不適切」と注意したことを明かした。

   当の漆間氏は、3月9日の参院予算委員会で、

「私の真意が伝わらない形で報道され、多くの皆さんにご迷惑をかけ、申し訳ない」

と釈明しながらも、

「特定の政党、政党の議員について、検察の捜査が及ぶか及ばないかということを申し上げた記憶はない」

と、一連の記事は誤報だとの見方を示した。民主党の鳩山由紀夫幹事長は、辞任要求について「必要に応じて出てくる可能性がある」と述べ、追及を進めていきたい考えだ。

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