2024年 4月 27日 (土)

「ユダヤ発言」したのかしないのか テレ朝に米人権団体が抗議

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「サイモン・ウィーゼンタール・センター」のウェブサイトには、田原氏を批判する声明が掲載されている
「サイモン・ウィーゼンタール・センター」のウェブサイトには、田原氏を批判する声明が掲載されている

   「反ユダヤ」的な報道に対して抗議活動を繰り広げることで有名な米人権団体が、今度は、テレビ朝日の討論番組「サンデープロジェクト」にかみついた。人権団体は、司会の田原総一朗氏が、「田中角栄元首相はユダヤにやられた」などと発言したと主張。「言語道断で受け入れられない」として謝罪を要求している。一方、テレビ朝日側は「『ユダヤ』とは言っていない」としており、言い分が食い違っている。

「ナチ『ガス室は』なかった」記事に対して猛抗議

   同センターが問題にしているのは、2009年3月8日放送のテレビ朝日系「サンデープロジェクト」での、司会の田原総一朗氏の発言だ。 この日のゲストは田中真紀子氏で、西松建設への献金をめぐって民主党の小沢一郎代表の秘書が逮捕されたことについて「国策捜査」と批判する声があがっていることについてのやりとりが繰り広げられた。

   話題は、田中真紀子氏の父親、田中角栄元首相がロッキード事件で逮捕・起訴されたことに及び、真紀子氏は

「(今回の秘書逮捕劇は、昭和)51年度の(ロッキード)事件と同じようなものを感じる」

と述べた上で、ロッキード事件については

「発端が不自然だった」
「どこかで操られている。大きな国家権力がある」

などと振り返った。

   これらのやりとりについて、米ロサンゼルスに本拠地を置くユダヤ系人権団体「サイモン・ウィーゼンタール・センター」は、09年3月9日、「ウィーゼンタール・センターは、日本のテレビキャスターが、日本の政治スキャンダルを米国とユダヤ人のせいにしていることを糾弾する」とする声明を発表したのだ。

   同センターは、国内では、95年に文芸春秋の月刊誌「マルコポーロ」が掲載した「ナチ『ガス室は』なかった」と題する「ホロコーストは作り話」などとする記事に対して猛抗議したことで知られる。文芸春秋側は雑誌の回収と廃刊、花田紀凱編集長の解任を決め、当時の社長は辞任に追い込まれた。

「番組では、キャスターは『有罪』と発言している」

   今回、同センターが出した声明では、

「ニュース番組の司会者が日本国民に政局を伝えようとした発言が、国内のスキャンダルの責任がユダヤ人や米国にあるという、ありもしない陰謀を想起させた。言語道断で受け入れられない」

などとして田原氏を非難。真紀子氏についても、

「生放送中、すぐに田原氏の嘘に対して疑問を投げかけなかったことは残念」

と論評。テレビ朝日と田原氏に対して、公の場での謝罪を求めている。

   番組中では、真紀子氏がロッキード事件の捜査について

「ですから、嘱託尋問調書の違法性と言うふうな問題ですとか、総理の職務権限はどうかとか、色々な問題が投げかけられた訳ですけれども、結果的に何も片付かないで来ている。政権交代をすることによって、もっと透明に、われわれ国民に政治が近づくんですよ」

と不満をぶつけた直後に、発音は不明瞭ながらも、田原氏が

「ただ、繰り返し言いたい。田中さんも、結局はやられた、と。ユダヤに。小沢さんもやられるんじゃないか、と」

と応じたように聞こえるくだりがある。同センターが問題視しているのは、この発言だとみられる。

   もっとも、テレビ朝日側は、そもそも非難されるような「ユダヤ発言」はしていない、との立場だ。同局の広報部では、

「番組では、キャスターは『有罪』と発言しており、『ユダヤ』とは言っておりません。サイモン・ウィーゼンタール・センターに対しましては、何らかの対応を検討します」

とコメント。

   問題とされた田原氏の発言の直後には、真紀子氏は

「間違えないでください。最後まで、最高裁判決いってませんから。(角栄氏が)亡くなったことによって。ですから『公訴はなかった、裁判はなかった』という結論になった訳でありまして…。1審とかなんかの判決がすべてで終わったわけではありません」

と応じている。確かに、テレビ朝日側が言うように、田原氏の発言の「ユダヤ」という箇所を「有罪」と置き換えると、「田原氏の発言に対して、真紀子氏が『角栄氏の有罪は確定した訳ではない』と反論している」と理解することができそうだ。少なくとも真紀子氏は「有罪」と受け取ったようだ。

   テレビ朝日側は、同センターから何らかの直接のコンタクトがあった際には、事情説明をするなどの対応を検討しているという。

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