2024年 5月 2日 (木)

電子書籍市場 「ケータイ」と「漫画」で急成長

10日で1万件ダウンロード

   電子書籍大手のeBook Japanは2009年6月22日、iPhone、iPod touch向けのコンテンツ配信を開始した。なお、同サイトではパソコン向けに少年漫画や青年漫画・少女漫画、文芸書など3万点を取りそろえ、漫画や文芸書は315円~420円で購入できる。アクティブユーザーは約3000人。決済はクレジットカードなどを利用して自社で行っている。

   そうしたところ、リリース後の10日間で1万件を超える作品がダウンロードされる好調ぶりだったという。しかも、読者1人当たりの平均購入金額は1万円。これはPCユーザーのおよそ2倍の利用金額という。販売ランキング上位には現在、漫画「ゴルゴ13」「美味しんぼ」「静かなるドン」「ブラック・ジャック」などがランクインしている。

   こうした好調の要因について、イーブック イニシアティブ ジャパンのプロデューサー・鈴木雄飛さんは、

「サイトオープンと、iPhone 3GSの発売が重なったのも一因でしょうか。ただ、iPhoneの画面の大きさがコミックスを読むのには十分な大きさであり、画質も良好。本棚1個分のコミックスが1つの端末に納められ、それがどこでも閲覧できるようになった――こうした利便性がうけているのでしょう」

   と分析する。ちなみに、iPhoneを通じたコミックスのダウンロードサービスはまだまだ少ないようだ。

   一方、電通も2009年夏、デジタルコンテンツ配信サービス「MAGASTORE(マガストア)」を立ち上げ、電子「雑誌」の有料配信に乗り出す。まずはiPhoneアプリでのサービスとして始め、その後は順次、携帯キャリア向けのサービスも提供していく。出版社20社以上が参加し、ビジネス誌やゴルフ誌、実用書など30誌の雑誌を販売。最新のコンテンツに加え、バックナンバーも購入可能という。

   前出の鈴木さんは、「iPhoneは電子書籍と非常に親和性がある端末であることは間違いない。iPhone向けにはこうした展開が続々出るのではないでしょうか。もしかしたら2009年が、その元年になるのかもしれませんね」と話している。

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