2024年 4月 28日 (日)

米国で「プラチナ投信」初上場 急騰貴金属類に関心高まる

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   米国で初めての「プラチナETF(上場投資信託)」と「パラジウムETF」が、2010年1月8日にニューヨーク証券取引所に上場された。管理会社はETFセキュリティーズ・リミテッド。年末年始にかけて国内外でプラチナ(現物)価格が急騰したが、その背景にも今回の上場があった。「上場観測が広まったことで、欧米の投機筋が買いに入った」(田中貴金属工業)という。

   一方、国内でも金やプラチナなどに投資する「貴金属ETF」が注目されてきた。ドル安相場を嫌った投資マネーが現物商品に流れ込んだことが価格高騰の主な要因だ。

東証「プラチナETF」は年率64.94%

   2009年8月に東京証券取引所に上場した「プラチナETF」は、米NY市場に上場したETFと同じ、ETFセキュリティーズが取り扱っている。プラチナETFは、10年1月8日の終値で1万4325円、前日比0.74%上昇。過去1年(年率)では64.92%の上昇と、金ETFを上回る。

   また、「パナジウムETF」は91.99%、「銀ETF」79.47%、「金ETF」44.20%、プラチナを含むこれらの貴金属を組み合わせた「貴金属バスケットETF」も58.07%の上昇だ。

   どれも現物価格の上昇とともに伸びている。ETFセキュリティーズは、「パラジウムもプラチナも自動車の触媒に使われていて、新興国や補助金政策が効いているドイツなどの自動車産業の回復による需要増が価格を押し上げている」と話している。

   ただ、プラチナの高騰については、産出国である南アフリカの電力事情(供給不足)なども要因。さらに拍車をかけたのが、米国での上場観測だ。きっかけは、09年12月23日に米NY証券取引所がプラチナやパラジウムなどのETF上場に向けて、上場規則を改定したことにある。

   田中貴金属工業によると、2010年1月8日のプラチナ地金の小売価格は、前日と変わらず1グラムあたり4959円だったが、米国での上場が目前に迫ったことで、上場規則を改定した翌12月24日以降の5営業日で500円近くも値上がりした。

現物価格を押し上げる「上場効果」

   プラチナ価格は世界的な景気の悪化でひところ大幅な下落に見舞われたが、09年3月以降に米プラチナETFの上場計画がたびたび話題に上ると、欧米の投資需要が旺盛になり、工業用需要も増えてきたことで、需給バランスが崩れはじめた。

   製造コストの上昇もあって、手軽に買えていたプラチナコインまでも米国やカナダでは製造中止となり、国内販売も品薄。田中貴金属工業では買い受け、再販することで対応しているが間に合わない状況が続いている。

   米NY市場での上場を果たしたETFセキュリティーズは「ETFがプラチナ(現物)を確保することを見越して、(投資家が)現物に投資しているようだ」とし、国内外でプラチナETFの人気が高まれば、さらに値は上がる。

   金やプラチナなどの「貴金属ETF」は投資家にとって、簡単でなかった貴金属への投資が身近になったことや、株価などの相関関係がないため、ポートフォリオの分散効果が得られるなどメリットも少なくない。

   プラチナやパラジウムなどのETFを取り扱っている証券会社は、金ETFや株式指数などに連動するETFに比べると少ないのが難点だが、人気に火がつく気配もある。

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