イタリアの高級スポーツカー「フェラーリ」に初のハイブリッド仕様が登場すると話題になっている。詳細は明らかにされていないが、排気量6リットルの大型エンジンを積んだ「599」をベースとし、モーターと組み合わせることで低燃費を達成したという。2010年1月28日に行われた新型マシン「F10」の発表会で、フェラーリのルカ・ディ・モンテゼモーロ会長が「599」のハイブリッド仕様を出すことを明らかにした。最近はトヨタ自動車の「レクサス」、ドイツのメルセデス・ベンツ、ビー・エム・ダブリューといった高級車も続々とハイブリッド市場に参入している。日産自動車も高級車「フーガ」のハイブリッド仕様を2010年秋に売り出す予定。2014年度を目途に二酸化炭素の排出量を削減するフェラーリ・ジャパンの広報担当者はハイブリッド仕様を出す理由について、「フェラーリでは2014年度を目途に二酸化炭素の排出量を削減する目標があります。今回、プロトタイプ(試験目的)として『599』のハイブリッド車を出すのも、環境に配慮した結果です」と話している。ベースになる「599」はフェラーリの中でも高級志向の強いスポーツカーで、6.0リットルV型12気筒の大型エンジンを積んでいる。ハイブリッド仕様についての詳細は明かされていないが、報道によるとモーターを積み、かなり燃費がよくなるという。また、フェラーリはブレーキを踏む時にできるエネルギーを蓄える「KERS(運動エネルギー回生システム)」をF1マシン「F60」に09年、初めて搭載した。F1の技術をそのまま市販車に使うことはないが、ハイブリッド車に応用するのではないかとみられている。フェラーリでもハイブリッド仕様が増える?公認フェラーリ専門誌「スクーデリア(SCUDERIA)」と「ロッソ(ROSSO)」(ネコ・パブリッシング発行)の総編集長を務める嶋田智之氏は、「詳細は発表されていないので希望的観測をお話しますと、フェラーリらしさを出して早く走りながらも、燃費がよくなればいいですね」と期待する。一方、なぜ「599」を選んだのかという疑問も残る。ハイブリッド車にはエンジンに加えてモーターを積む必要があるため、小型エンジンの車を使うことが多い。フェラーリにも比較的小さいエンジンを搭載した車があるにもかかわらず、大型エンジンの「599」を選んだ理由は謎だ。嶋田氏は、「最近、12気筒以外の車の開発が盛んでしたので、『599』にハイブリッド仕様が出ることは話題になりそうです。『カリフォルニア』や『458』のように直噴エンジンを搭載した省燃費設計のモデルが発売されていますし、これをきっかけにフェラーリでも車のキャラクターに合わせたハイブリッド仕様が増えるのではないでしょうか」といっている。
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