2024年 5月 4日 (土)

首都圏マンション「復調」ムード 大型タワー、「億ション」売れる

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   長びく不況で売れ行きが低迷していた首都圏マンションに、「復活」ムードが高まっている。首都圏マンションは2009年後半から東京の下町エリアなどで値ごろ感が強まってきた。東京駅から20キロ圏内の、3000万円~4000万円程度の物件が売れ筋だが、赤坂や新宿、台場周辺などに建つ、大型のタワーマンションは人気が高く、「億ション」も売れている。

平均価格1億3188万円が即日完売

都心にはまだまだ大型タワーマンションが建つ?
都心にはまだまだ大型タワーマンションが建つ?

   復調ムードを盛り上げているのが、東京都心にある大型タワーマンションだ。2009年に発売された「億ション」は611戸。前年比657戸の減少で、過去最多の1990年の3079戸と比べると、80.2%減少した(不動産経済研究所調べ)。

   これが立地のよさと希少性を背景に売れている。09年9月に野村不動産が発売した「プラウド新宿御苑エンパイア」(35戸)は平均価格1億3188万円(1戸あたりの平均専有面積83.04平方メートル)だったが、即日完売した。

   09年6月に竣工し、4億9000万円の最高額を記録した三井不動産の「パークコート赤坂ザ・タワー」(521戸)も残りわずか。同社が手がけた「街づくり型」の大型タワーマンション「大崎パークタワーグランスカイ」も最多価格帯が6000万円~1億円強の物件だが、「すでに8割近くが売れていて、順調です」(三井不動産)と話す。

   三井不動産は「景気の先行きの不透明感もあって、まだ慎重さが目立つが、徐々に戻ってきている」との感触を得ている。

進む在庫調整 安値物件も徐々に少なく

   いま人気マンションのキーワードは、立地のよさと希少性、安全性にエコだ。三井不動産が展開する単身者や子供のいない夫婦向けの「パークLUXE(リュクス)」は、山手線内の西麻布や白金、小石川などにあり、駅から徒歩約5分の立地とセキュリティにこだわったことで、女性を中心に人気だ。

   オール電化マンションも、「住宅版エコポイント制度」の導入で注目度が増している。「買うことを前提に物件を探している人は、ポイントが使えるマンションを選ぶでしょうね」と、不動産経済研究所・企画調査部の福田秋生部長はみている。

   一方、倒産業者の物件を「転売」する、格安のアウトレットマンションも減ってきた。加えて、在庫物件もかなり減ってきたことで、2009年夏ごろのように低価格物件がどんどん出てくるようなことはなくなってきた。

   ただ、残りわずかな在庫物件を売り切ってしまいたい業者はいる。東京・練馬の「グランリーオ石神井公園」では4000万円台から3000万円台に、約800万円を値引きするとチラシに謳っている。

   回復基調が広がってきたため、供給を増やしたいマンション業者は増えているが、金融機関の融資姿勢が厳しく、用地取得の資金が調達できないケースが出ていて、「価格は下げ止まり傾向で、さすがに1000万円は引かないが、早く売って次に取りかかりたい業者はいる」(不動産関係者)という。

   不動産経済研究所の福田部長は、「底は打ったとみています。都区部の供給がどこまで増えていくかが、今後のカギになるでしょう」と話している。

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