2024年 4月 26日 (金)

胃がん予防は「ピロリ菌除菌」 乳酸菌が抗生物質を「アシスト」

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最近は抗生剤耐性菌株が増える

   ピロリ菌除菌は一般に、プロトンポンプ阻害剤と2種類の抗生物質(アモキシシリンとクラリスロマイシン)の「3剤」を、7日間経口投与する。しかし、この療法による除菌率は、2000年には80~90%あったが、最近はクラリスロマイシン耐性菌株が増えて、70%程度まで低下してきた。それを抑えることが、日本ヘリコバクスター学会では大きなテーマになっていた。

   2010年6月24、25日に京都で開かれた同学会の学術集会で、東海大学医学部の高木敦司教授は、ピロリ菌を抑える効果をもつといわれている乳酸菌L.gasseriOLL2716(LG21乳酸菌)を、3剤療法に併用することで、クラリスロマイシン耐性ピロリ菌を効果的に除菌できることを明らかにした。

   7月15日に開かれた「ピロリ菌除菌対象疾患の適応追加とプロバイオティクス併用による耐性菌除菌率の飛躍的向上」と題したセミナーで、高木教授は「3剤療法だけでは64.9%の除菌効果でしたが、LG21ヨーグルトと3剤療法を併用した場合は82.8%に高まりました」と説明。胃潰瘍などの再発防止や胃がんの予防にも一定の作用があることが確かめられたと、研究の成果を改めて報告した。

   ただ、除菌率を高めるため、抗生剤ばかりに頼っても副作用などの心配がないわけではない。その点はLG21乳酸菌であれば、ヨーグルトとして発売されているほどなので、誰でも安心して摂取できる。

   最近は日々の食生活からピロリ菌の増殖を抑えようという研究も進められていて、ヨーグルトのほか、梅に含まれるシリンガレシノールというリグナンの一種や、緑茶カテキンなどでも抑制効果がみられるという。こうした食品、食材を適量摂取することが、ピロリ菌除菌の一助となって除菌の成功率を高めることになる。

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