2024年 4月 29日 (月)

相撲協会、「改革」にあくまで抵抗か アドバイザー弁護士に「解約メール」

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   日本相撲協会は所管の文部科学省など外部からの改革圧力に抵抗を感じているのだろうか――そんな疑問がわいてくるニュースが続いている。大麻や野球賭博問題など不祥事続きの協会が妙に「強気」に見えるのは、何か理由があるのだろうか。

   同協会の組織改革を進める「ガバナンス(統治能力)の整備に関する独立委員会」(座長=奥島孝康・前早大総長)のアドバイザー、望月浩一郎弁護士に対し、協会は「業務委託契約を解約する」との電子メールを同弁護士に送った。2010年8月10日、読売新聞(電子版)が、望月弁護士が話した内容として報じた。

奥島座長は「了承しない」、それでも…

   相撲協会は「解約メール」を送ったのか。日本相撲協会広報部にきいてみると「問い合わせは各社から来ています。何かあれば対応します。現段階では対応予定はありません」とのことだった。

   前出の読売報道によると、契約解除の理由について「(復帰したばかりの武蔵川)理事長からの指示によるもの」とメールに書かれているという。また、独立委の奥島座長らに「望月弁護士の解約」の連絡が協会からあったが、奥島座長らは「了承しないと回答した」と望月弁護士に伝えてきた、としている。

   望月弁護士は、同独立委で暴力団排除対策の最終案をまとめる準備作業などを進めていた。望月弁護士は文科省に太いパイプを持つとされるため、同省主導の改革を懸念する親方らが解約に動いたのでは、との見方が出ている。

「寄り切られた」はずの協会、予想外の強気の背景は?

   「外部理事長を阻止するために留まったと勘ぐられてもしかたない」。8月5日の会見で、各紙の「きょう辞任」報道を尻目に「続投」を宣言した武蔵川理事長に対して、TBSの吉川美代子・解説委員は、6日の情報番組「朝ズバッ!」でこう感想をもらした。

   野球賭博問題の責任に加え、7月末に胃がん手術を受けたこともあり、武蔵川理事長は8月5日の理事会後の会見で辞意を表明する、とみられていた。新公益法人認定問題を背景に、武蔵川理事長の続投に難色を示しているとされる文科省の意向に「寄り切られた」「押し出された」と解説するマスコミもあった。

   しかし、5日の会見はおおかたの予想に反し「職務復帰宣言」となった。理事会(12人中、2人は外部有識者)の互選で選ばれる新理事長職に外部理事長の誕生を容認する空気が出ていただけに、吉川解説委員のような「外部理事長の阻止」説も出てくることになる。もっとも、8月12日と23日に予定されている臨時理事会で武蔵川理事長が辞意を表明するのでは、との見方も依然強い。

   それでも一見すると、文科省主導の「外部からの改革」に対し、相撲協会が強気に抵抗しているようにも見える。

   野球賭博問題などへの批判から、7月の名古屋場所はNHKの生中継が中止され、天皇賜杯授与も自粛された。しかし、NHKは7月7日、寄せられた約2000件の視聴者からの意見のうち、「中継すべき」が46%で、「中継すべきではない」27%を上回ったと発表した。また、天皇陛下は8月3日、全勝優勝しながら賜杯授与がなかった横綱・白鵬関をねぎらう異例の書簡を協会へ送った。こうした事が協会の「強気」を支える理由になっているのかもしれない。

   ジャーナリストの大谷昭宏さんは、情報番組「スーパーモーニング」(テレビ朝日系、8月6日)で、「(武蔵川理事長を)引きとめた親方たちの意向は、本気で改革を求めているのか、このままだと外部が入ってくるからイヤだというのか」と疑問を投げかけ、「後者だと改革は進まないと思う」と懸念を表明していた。

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