「25歳のニート息子を10万円渡して家から追い出した」という53歳の父親のやり方がネットで話題になっている。父親が投稿したのは、ライブドアのQ&Aサイト「お悩みパンチ」。ネットではこの父親に対し「立派だ」「25歳は大人だから当然だ」といった賞賛の声もある。一方、「親の責任放棄」「まともな生活ができるはずがない」という批判もあり、「子供のサポートを続けるべきだ」と話す専門家もいる。今すぐニートを放り出し自立させることを提案します「ニートの親はなんで子供を家から追い出さないのでしょうか?」。こんな質問が2011年2月14日に出た。投稿した53歳の父親は25歳でニート歴2年の息子に対し、「先日、手切れ金10万円を渡して家から追い出した」と告白した。親子の縁も切るという。息子の自立をずっと見守ってきたが、インターネット、テレビゲームばかりやっていてハローワークに行くこともしなかった。今思えば、2年間息子に使ったお金は無駄で、本人のやる気を無くす結果になった、と反省。そして「自分の子供がニートである親御さんがおりましたら、今すぐ外に放り出し自立させることを提案します。いつまでも手を差し伸べるから甘えるわけで、赤ん坊でもない良い大人にはもうそんな事は必要ないのです。むしろ、甘やかす親がいるからいけないわけで、本来健康な体があればなんとか生きていけるものです」とし、家を追い出された息子はニートの時よりも幸せになっているはずだ、と結んだ。ネットではこの父親の主張に対し賛否両論が出ている。「ニートに育てたのは父親のあなたでしょう」元・長崎大学環境科学部教授で若者自立支援長崎ネットワ-ク代表の浜民夫さんによると、ニートを抱えた親は、子供の顔を見る度に「働け」「家から出て行け」などと言う人が多い。ニートは怠け者と思われがちだが実際は違っていて、親のそんな小言を聞く度に「ニートになりたくてなっているんじゃない」と心の中でいっている。仕事を探そうとは思う。でも、その一歩が踏み出せず悩んでいる、のだという。投稿にある25歳の息子は23歳までは働くか学校に行っていた。ニート生活に入った原因は、会社で人間関係が作れなかったり、就職活動に失敗したりしたことが影響したからではないか、と浜さんは見る。今、就職氷河期で正社員になるのは厳しい。しかも、就職活動に失敗すると大きなダメージを受ける。そのダメージに加え、正社員になりたいが求人は少ないという事実が家に引きこもらせてしまう。父親が手切れ金を渡し息子を追い出してしまうことについては、「ニートに育てたのは父親のあなたでしょう、と言いたい。追い出すのではなく、親としての責任を持って子供が自立できるようにサポートする。決して怠けているのではないということの理解から始めるべきです」と強調する。
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