2019年 10月 16日 (水)

政府の「食物連鎖なし」信用できるのか 魚の放射性物質「濃縮」問題

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   東京電力の福島第1原発の事故で、不安がぬぐえない問題が水産物への放射能蓄積だ。政府は心配ないとするが、食物連鎖を通じて放射性物質が濃縮する危険がないのか、実ははっきりしない。さらに、現時点で数値が発表されているのはヨウ素とセシウムのみで、半減期が長いストロンチウムについては明らかになっていない。

   現時点で政府が魚介類や海草に対して設定している暫定規制値は放射性セシウムが1キログラムあたり500ベクレル、放射性ヨウ素が2000ベクレルだ。2011年4月13日には、福島四倉沖のイカナゴ(コウナゴ)からセシウム1万2500ベクレル、ヨウ素1万2000ベクレルを検出。それ以外にも、シラス、アユ、ワカサギから規制値を超える放射性物質が検出され、福島県全域で漁業の自粛が続いている。

水銀や有機塩素化合物などと異なる?

   ここで心配されるのが、食物連鎖を通じて放射性物質が濃縮する危険性だ。水産庁では、放射性物質が水産物に与える影響について説明したスライドをウェブサイトに掲載している。生物中の濃度を海水中の濃度で割った「濃縮係数」が、DDTの場合は「海水→動物プランクトン→小型魚類→大型魚類」の順に高くなるのに対して、セシウムの場合は、ほぼ横ばいであることから、

「水銀や有機塩素化合物などと異なり、食物連鎖を通じて魚体内で蓄積しつづけるわけではない」

だと説明している。さらに、室内実験の結果をもとに、

「魚体内中に入った放射性物質は、対外に排出される」

とも説明している。

   ただし、この資料の参考文献の著者のひとりは、マグロやスズキでのセシウムでの濃縮係数が高いことを別の論文で示している。このことから、資料の信ぴょう性に疑問を呈する声もあがっている。

   さらに、これらはセシウムに対する説明でしかなく、調査のあり方への疑問が相次いでいる。

   4月18日に福島第1原発周辺の海で採取された海水からは、セシウムよりも半減期が長いストロンチウム90が検出されている。だが、現時点では、水産物のストロンチウムの値は明らかにされていない。ストロンチウムは測定を行うための処理に2週間程度かかることも背景にあるとみられる。

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