2024年 5月 1日 (水)

ソフトバンク電力事業参入決める 発表以来株価は下落傾向

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「政治リスク」高まり、投資家敬遠か

   本業の通信との融合も大きなポイントだ。IT(情報技術)を活用して電力の需給をリアルタイムで把握・調整して発電効率を極限まで高める「次世代送電網(スマートグリッド)」は通信事業と相乗効果を発揮するとみている。実際、米IBMやグーグルがスマートグリッドに参入しており、孫社長は総会でも「さすがにグーグルだなと思う」と語っている。

   さらに、東電の一部事業買収への思惑の憶測も絶えない。電力改革として発電部門と送電部門の分離(発送電分離)が今後の改題に浮上し、菅首相も前向きといわれる。今やその菅首相に最も高いブレーンの趣があるだけに、「分離された東電の送電部門買収を狙っているのでは」(経済団体関係者)との声もある。買収できれば、ソフトバンクの弱点である通信のアンテナ網の整備が一気に進む。

   一方、株主総会で孫社長は5年前に英ボーダフォンの日本法人を買収した際に膨らんだ有利子負債が、2兆4000億円から半減したことを強調。営業利益が国内で3位になるなど、高収益を維持していると、財政の改善もアピールした。

   しかし、株価は電力事業へ参入を表明した5月下旬以降、下落傾向にあるのも事実だ。3000円台を割り込み、株主総会当日の終値も2987円だった。

   孫社長は短期ではなく中長期の株価を評価してもらいたいと訴えたが、株主からは「有利子負債がまだ1兆円超もある。そこにまた資金がかかる電力事業への参入では資金繰りが心配だ」との声が漏れた。電力事業への参入に、資金面の課題は大きい。

   なにより懸念されるのが、政治との「距離感」だ。震災後、外国人投資家は日本の政治の混迷に嫌気がさしている。コロコロと変わる政治家の態度や発言に、大きく揺れるような「リスク」の高い株式市場はそれでなくとも敬遠されるのに、政治家と密接な関係を築く孫社長のやり方に危うさを感じている投資家は少なくない。

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