2024年 5月 5日 (日)

日本はまだ放射能が怖い 海外楽団員の「来日拒否」なお続く

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随行の医師が食事の放射線量測定も

   公演中止や来日拒否が続く背景には、各国の事情があるという。

   日本クラシック音楽事業協会の常務理事は、1つには、ドイツのように国が渡航を制限していることがあると指摘する。

「イタリア、スイスも渡航制限をしており、事故直後のフィレンツェ歌劇場公演では、市長が帰国命令を出していました。ドイツなどは、チェルノブイリ原発事故で怖い経験をしていますので、放射能アレルギーがあるんでしょうね」

   さらに、現地のメディアが事故を誇大に書き立てていることもあるのではないかという。

「事故後には、日本列島が2つに割れたという報道もあったんですよ。あるニュースが、東京・渋谷の老舗ライブハウスに原子力発電所があると誤報を流したのも話題になりました」

   こうしたことから、来日する楽団員らも神経質になっているようだ。

   バイエルン国立歌劇場の日本公演では、劇場側が飲料水への不安から、全員に1人1日3リットルの仏エビアン水入りペットボトルを支給する。加えて、随行する医師が日本で出される食事について放射線量を測るというのだ。主催のNBSでも、団員の日本滞在期間を短くするなどの配慮に骨を折っている。もっとも、気にしない人も多く、個人差があるという。

   公演中止などの被害は深刻だ。日本クラシック音楽事業協会の調べでは、2011年6月時点で全体の2割に及ぶ754件、計46億円の損失になり、文科省の審査指針で、一部が補償対象になる方向になった。常務理事は、こう言う。

「原発事故での日本政府の発表は、海外向けの英文の方が詳しいとされ、各国が危険度を知るうえでの参考にしています。また、日本政府は事故発生時にはメルトダウンを知っていたとテレビ番組で報じられ、海外の人も発表でだいぶ隠していると思っているようです。今は来日する楽団も増えてきていますが、早く日本の信用を取り戻さないと大変なことになると思いますよ」
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