2018年 7月 19日 (木)

色覚検査に「簡便テスト」 「異常」が半減、学校保健学会賞

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   「カラーメイトテスト」(CMT)が教育関係者から注目されている。色覚異常の子どもたちが、実際はどんな色が見にくいかを知るための簡便なテストだ。開発者の1人、名古屋市の眼科開業医の高柳泰世さんが日本学校保健学会の学会賞を受賞し、2011年11月の同学会で表彰された。

名古屋の眼科医と色彩学者が共同開発

   1958年から2002年まで、日本の小、中、高校の学校健診では色覚検査があった。淡い色の点で描かれた数字などを読み取る石原表が使われたが、この検査は極めて鋭敏で、学習や生活に支障のないレベルの児童・生徒までを拾い上げる。

   以前は進学や就職での色覚差別がひどく、高柳さんらは差別・検査廃止を訴え、学校保健法施行規則の一部改正で、学校の定期健康診断では必須検査でなくなった。しかし、一方では現場の教師たちから、異常の程度の強い子どもたちの対応に戸惑う声が寄せられた。

   CMTはその答えとして、高柳さんと、自身も異常のある金子隆芳・筑波大学名誉教授 (色彩学) が1995年に共同で開発したもの。検査表は練習用の1枚と、検査用の4枚が1組になっている。検査表には縦3個、横3個の色が十字形に配置(中心の1個は共通)され、少しずつ色が違っている。子どもは同じ色の仲間が縦の列に並んでいるか、横の列かを答える。

   石原表は男子の4.5%が誤読するが、CMTは2%で、半分以上が実際には問題なかった。また、CMTではどんな色の組み合わせが見えにくいかがわかるため、黒板のチョークの色、教科書の図版の色などへの具体的な配慮が可能になる。

   学会賞は機関誌に前年掲載された最優秀論文の著者に贈られるもので、高柳さんはCMTと各種の色覚検査を比較検討した。

   高柳さんの地元の名古屋市教育委員会は2000年から石原表に代えてCMTを全校で採用しているが、愛知県外にはほとんど普及していない。「早く全国に広がってほしい」と、高柳さん。

   CMTは医療機器販売会社リィツメディカル (本社・愛知県豊川市) から発売されている。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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