日本看護協会は2012年2月22日、「2011年病院看護実態調査」を公表した。同協会が毎年実施しているもので、離職率は減少傾向が見られた。また、今回初めて長期病気休暇の中身を調べたところ、メンタルヘルスの不調が3分の1以上にのぼっていた。「離職率」は落ち着く調査は昨年10月、東日本大震災の被災3県を除く44都道府県の8378病院を対象とし、調査書の郵送配付・回収方式で行い、3198病院(38.2%)が回答した。病院の看護職員は流動的で離職率がかなり高い。2010年度は常勤職員の離職率は11.0%、新卒看護職員は8.1%で、2005年以降、最も少なかった。2005年は12.3%と9.3%だったので、おおむね定着しつつある。地域別では両方とも都市部(東京23区・政令指定都市)で高かった。2010年度に1カ月以上の病気休暇を取った看護職員は2.2%の7483人。このうち診断書を提出したメンタルヘルス不調者は2669人と、長期病気休暇者の35.7%を占めた。年代別では20代(46.7%)、30代(26.5%)、40代(17.5%)と、若い看護職員ほど率が高かった。20代の不調者の分析では、都市部、および大病院に多い傾向があった。職場や患者との間のストレス過多を感じさせる。離職とも微妙にからんでいる可能性がある。女性の常勤看護職員約267000人のなかで、11596人(4.3%)が出産し、一般女性労働者の取得率(83.7%)を上回る91.2%が育児休業を取得した。一方で、介護休業を取得したのは、20分の1の557人だった。通常の休暇は、交代職場である看護では完全週休2日制が69.8%と普及し、月3回週休2日制(5.6%)、月2回週休2日制(11.4%)までで86.7%を占めている。(医療ジャーナリスト・田辺功)
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