2024年 4月 28日 (日)

「担ぐ人物も、組む相手もいない」 「小沢新党旗揚げ」これだけの不安

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   消費増税法案の衆院採決で、民主党からは小沢一郎元代表に近いグループを中心に57人が反対票を投じ、棄権・欠席を含めると70人以上の造反者を出した。今後、新党結成に向けた動きが活発化するのは確実だが、解散・総選挙後の勝利はおぼつかない。

   小沢氏は2012年6月26日の衆院採決後に、

「民主党に残って、再生にまず全力を尽くそう」

などと発言。これを根拠に当分は当面党内に残留するとの見方もあったが、いずれ離党、新党結成に動くとの指摘も有力だ。

新生党を立ちあげた際は、「政治改革」を掲げる

09年の政権交代では、小沢氏は鳩山氏をリーダーとして担いだ(中央が小沢氏)
09年の政権交代では、小沢氏は鳩山氏をリーダーとして担いだ(中央が小沢氏)

   仮に小沢氏が新党を立ちあげた場合、新生党(93年)、新進党(94年)、自由党(98年)に次いで4度目だ。特に新生党を立ちあげた際は、「政治改革」を掲げて93年の衆院選で大勝し、「非自民」の細川連立政権の一角として連ねることに成功している。

   今回、小沢氏が新党を立ちあげた場合、「反増税・反原発」といったスローガンを軸に解散後の総選挙で選挙戦を展開するとみられるが、93年のような大勝を収められるかどうかは不透明だ。

   その理由は、大きく2つある。ひとつ目が、「党のカオとして担ぐ人物がいない」という点だ。小沢氏が新党を立ちあげる場合、新生党の場合は羽田孜元首相、新進党の場合は海部俊樹元首相というように、自分以外の人物をトップに立てることが多い。09年夏に民主党が政権を獲得した際も、小沢氏は「トロイカ体制」の一角を占めていたものの、代表を務めていたのは鳩山由紀夫元首相だった。

維新の会にも袖にされ、組む政党がない

   今回の新党の場合、民主党を離党するとみられる小沢グループの多くが、いわゆる「1年生議員」だということもあり、小沢氏以外にリーダー格の人物が見あたらないのが現状だ。小沢氏が表に立つにしても、すでに年齢は70歳。「若さに欠ける」との指摘は免れない。

   ふたつ目が、「組む相手がいない」という点だ。新生党や自由党は、連立政権の一角を担うことで影響力を発揮した。逆に言えば、党の存在意義を発揮するためには、他党と連携することが不可欠だとも言える。だが、今回の新党の場合、大阪維新の会は小沢氏との連携には否定的な上、今後の立ちあげが噂される、いわゆる「石原新党」をめぐっても、東京都の石原慎太郎知事は「小沢一郎と俺が手を組むことはまったくない!」と、嫌悪感すら示している。また、消費増税に賛成する自民党や公明党と組む可能性は極めて低い。

   「小沢新党」は立ち上げはできても、政権を左右できる勢力になるのは難しく、前途多難だ。

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