2024年 4月 30日 (火)

松坂屋上野店をパルコと共同店舗構想 Jフロント子会社化の狙いは「客層」

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   大手百貨店の大丸と松坂屋を傘下に置く「J・フロントリテイリング」は2012年7月5日、ファッションビル大手「パルコ」の株式についてTOB(株式の公開買い付け)を実施し、子会社化を目指すと発表した。パルコは同日、TOBへの賛意を表明した。Jフロントとパルコの融合の進展は、「百貨店」の概念を変える試みを進めることになりそうだ。

   Jフロントはパルコ株を33.2%保有する筆頭株主。TOBによってJフロントがパルコ株を取得する上限は、発行済み株式総数の65%に設定した。3分の2未満に抑えることで、パルコの上場を維持し、一定の「独立性」を担保する狙いだ。

焦点の一つは大手流通グループイオンの動向

   TOBによるパルコ株の買い付け価格は1株1100円で、発表日の終値(947円)に比べて16%のプレミアム(時価への上乗せ額)がついた。

   TOB期間は7月9日から8月20日まで。パルコの新株予約権付社債(転換社債)を保有する日本政策投資銀行は、8月1日までに普通株(18.7%分)に転換し、TOBに応じる方針。プレミアムの水準から見ても多くの株主がTOBに応じると見られ、TOB成立は確実と見られている。その場合、Jフロントはパルコに社内取締役の半数を派遣する方針も明らかにした。

   焦点の一つはパルコ株の12.3%を保有する大手流通グループのイオンの動向。イオンの岡田元也社長はJフロントの発表翌日の7月6日、記者団に「(パルコ株を)売る気は全くない」と表明した。パルコとの提携協議はほとんど進んでいないが「今後もできる範囲で話をしたい」と語った。しかしTOBが成立した場合、Jフロント抜きにイオン・パルコ間の提携協議は事実上成り立たなくなるため、流通担当記者はイオンの動向から目が離せない。

「親子孫3世代が一緒に買い物に出かける先になる」

   TOBが成立すれば、Jフロントはパルコの協力を得て百貨店改革を加速する。Jフロントの実権を握る奥田務会長は以前から、伝統的な百貨店は今後の成長が見込めないという趣旨の発言を繰り返した。実際、全国百貨店売上高は2011年まで15年連続の前年割れで、衰退業種と言われても仕方がない。三越や伊勢丹、高島屋のような大手と違って大丸や松坂屋は規模が小さく、「尻に火がついている」(関係者)。

   Jフロントはこれまでにも改革を進めている。例えば、大丸東京店には「東急ハンズ」をはじめとする多くの専門店を導入したが、これは三越などでは考えられないことだ。そんなJフロントがパルコに期待するのは、若年層への浸透力だ。百貨店になじみのある高齢者でお金は持っている人はそれなりにいるが、買い物先は三越や高島屋を選ぶ人が多い。となれば、店内の一部を若年層に支持されるパルコにして客層の多様化を図るのも一手というわけだ。まず手初めに、大規模な改装を予定している松坂屋上野店を「松坂屋・パルコの共同店舗」とする方針が固まりつつあるという。「親子孫3世代が一緒に買い物に出かける先になる」という新たな戦略でもあり、その行方が注目される。

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