2024年 4月 29日 (月)

「常勝」アップルに陰り見え始めた? iPhone減産報道、ライバルに抜かれたiPad

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   スマートフォン(スマホ)とタブレット型端末で市場をリードしてきた米アップルが、ここにきて息切れしてきたとの観測が流れている。

   報道によると、2012年9月に発売された「アイフォーン(iPhone)5」の販売が伸び悩んでいるという。一方「iPad」では、新たに小型サイズを出すなどラインアップの充実を図っているが、ライバルの米グーグルや米アマゾンが激しく追い上げており、国内市場で首位を奪われたとの調査結果も出た。

高額なiPhone、「廉価版」の開発が必要

iPhone 5が、まさかの人気停滞か
iPhone 5が、まさかの人気停滞か

   「iPhone 5の世界販売が計画を下回っている」と報じたのは、2013年1月14日付の日本経済新聞朝刊だ。このため、iPhone用パネルを供給している国内の液晶パネルメーカー2社が、2013年1~3月の生産量を合計で当初計画の半分程度に減らすと続けた。発売から3日間の販売台数が世界で500万台を超え、衰えない人気を誇ったはずのiPhone 5だが、報道が正しければ売れ行きが芳しくないことになる。

   米ウォールストリートジャーナル紙電子版では日経を追う形で1月14日、液晶パネル以外の部品業者にも発注量削減を通達したとして、「この動きは、新型iPhoneの販売動向が当初予測したよりも力強さがないことを意味しており、需要に陰りが出ているのかもしれない」と伝えた。

   米ニューヨークタイムズ紙電子版も14日付の記事で、「iPhone 5のパネル減産」を取り上げた。米国市場ではトップを守るアップルも、通信会社との契約時に値引きが受けられない別の地域では、iPhoneの高額な端末代が「足かせ」となり、グーグルの基本ソフト「アンドロイド」搭載機種との競争で厳しい局面に立たされていると指摘。今日では世界的にスマホの普及が進んで所得が比較的低い層にも利用者が増えてきたが、これらの購買層にとって価格が高いiPhoneは手が出にくく、より安価な「アンドロイドスマホ」に流れがちというわけだ。

   米調査会社IDCも、ニューヨークタイムズと同様の分析をする。2012年12月4日に発表した世界のスマホ市場予測では、iPhoneが「今後も各国市場で堅調に伸びていく」とした。だが一方で価格競争において「『高額過ぎる』と受け取る利用者もいる」との見方を示し、成長を持続するうえでは廉価版モデルの開発が必要になるだろうと結論付けた。

   「廉価版iPhone」はこれまでも、複数のアナリストが「2013年夏にも発売」と予測しているが、アップルからの発表は一切出ていない。

「iPad mini」人気を上回るグーグル「ネクサス7」

   タブレット型端末で独壇場だったiPadも、今では強力なライバルたちに脅かされている。国内市場を見ると、調査会社BCNが1月16日に発表した全国家電量販店の2012年12月のタブレット型端末販売台数シェアで、グーグルの「ネクサス7」を共同開発した台湾メーカー、ASUS(エイスース)が44.4%となり、40.1%だったアップルを抜いて初めて首位に立ったのだ。

   ネクサス7の好調要因についてBCNのアナリストに取材すると、容量が16ギガバイトのモデルが2万円を切る価格の競争力の高さを挙げた。アップルも従来機より小型サイズの「iPad mini」を市場に投入しており、「実際はiPad全体での販売実数は上がっている」とアナリストは明かすが、エイスースがそのペースを上回って首位交代が起きたようだ。

   BCNの調査では、携帯電話会社や直営店を通じての販売数が反映されていない。また、ネット通販や一部販売店で扱われているアマゾンの「キンドルファイア」も対象から外れている。このため、純粋にエイスースがアップルを追い抜いたとは言い切れないかもしれないが、これまでも同じ条件下での調査でアップルが独走していたことを考えると、今回の逆転劇は「iPad時代」に一定のブレーキがかかったとも言えそうだ。

   台湾のIT系メディア「デジタイムズ」は1月15日、2013年のタブレット型端末の世界販売見通しについて、「9~11インチ版はiPadが最大シェアを守るが、7インチ版ではアンドロイド搭載モデルが拡大する」と報じた。BCNのアナリストは、「12月はエイスースがアップルを抜いて首位に立ちましたが、単純に『アップル低落』とは言い切れません」と説明する。そのうえでiPad miniを例にとり、「現行モデルには、高精細の液晶画面が採用されませんでした。今年発表される新型機がどうなるか、注目する必要があります」と話した。

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