「丸亀」の店名を使うのは、誤解を与えるので困る――。「讃岐うどん」チェーン店を展開する丸亀製麺が、米ロサンゼルスのうどん店にこんなクレームを出していたことが分かった。ネット上では、「地名なのに」「もともと丸亀の会社じゃないのに」などと疑問の声が相次いでいる。判明したきっかけは、香川県丸亀市のうどん店「夢(む)う」の店主がフェイスブックに書き込んだことだ。「地名なのに」などと疑問の声相次ぐ「弟子たちが困惑(/。\)」。こんな書き出しの記事を2013年6月4日につづり、店主は、ロスのリトル東京内で3月15日にオープンした「丸亀もんぞうMONZO」が大変なことになっているとした。「夢う」で修行した人がうどん店を繁盛させるまでになったが、丸亀製麺が店名に丸亀という名称を使うなとクレームをつけてきたというのだ。それは、米国で丸亀の商標権を取っていることを根拠にしていたそうだ。クレームについて、店主はこう訴えた。「体に鞭打って、手打ちでうどんを打ってロス市民に食べていただく。機械麺では味わえない本物の讃岐うどんです。讃岐丸亀で修行し讃岐うどんの心を学んだ弟子たちの心情を察して下さい」さらに、「エゴとしか思えません。憤りを強く感じます」として、この記事を拡散するよう呼びかけている。これに対し、ネット上では、呼びかけに共感する声が相次いだ。「地名に商標権も使用料も無いでしょ(`_´)!!」「勝手に地名使ってるくせに」「丸亀市が唖然としておりますw」…そもそも、丸亀製麺を運営するトリドールが神戸市にあり、丸亀市やロスにも店がないのに、丸亀を名乗っていいのかとの声もあった。また、丸亀の地名を世界にアピールする好機なのに、うどん文化の足を引っ張ってどうするのかとの意見も出た。丸亀市「地名なので、特に制約はない」トリドールの広報担当者は、取材に対し、ロスの「丸亀もんぞうMONZO」にクレームを入れたことは認めた。「今回の件では、こちらに『アメリカ本土の1号店ですか?』といった問い合わせが複数あり、お客さまが誤認しており混乱を招くと考えました。特許事務所などと相談した結果、誤解を与えるのでよくないということになり、相手方に書類を送っています」もし応じない場合は使用料を請求したり法的措置を取ったりするかについては、「相手があることですので、今後について明言はできません」とのことだった。ネット上で強い批判が出ていることについては、「こちらからは、何ともコメントできません」としている。丸亀という地名は、商標権としてはどんな扱いになるのか。この点について、丸亀市の秘書広報課では、次のように言う。「もともと古くから使われている地名でもありますので、お店の名前でよく使われており、特に制約はないです。丸亀の名称を使っても、特段の問題はありません」ただ、国が違えば、その国によって名称の法的取り扱いは違うため、一概には言えないという。
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