2024年 4月 29日 (月)

宇宙成立の謎に迫る超大型加速器 「日本への誘致見送り」が強まる

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誘致に熱を上げる東北や九州は気をもむ

   下村博文・文部科学相は誘致について、学術会議の検討結果や国際動向を踏まえて判断するとしてきているが、文科省は、これまでのシナリオを修正し、「より広い議論をするため」として、政府の総合科学技術会議などに改めて意見を求めるなどの検討を始めた模様だ。ただし、早ければ13年秋を予定していた誘致判断の時期がずれ込むのは必至だ。

   一方、ILC誘致に熱を上げる東北や九州も気が気ではない。経済波及効果への期待は大きく、自治体レベルで欧州に使節を送るなどの誘致活動に取り組んできたからだ。実際、日本生産性本部は6月、日本に建設した場合、30年間に約45兆円の経済効果が期待できるとの試算をまとめている。

   ILC製造で得られる雇用が延べ53万人、製造による直接の経済効果(1次効果)が12兆1300億円、製造した加速器を利用した産業活性化(2次効果)が32兆6000億円と弾き、2次効果では工業や医療、農業などの分野で経済規模の発展につながると指摘している。

   ただし、2次効果は別にしても、1次効果は「加速器」といっても、多くはトンネルを作る従来型の公共投資。特に莫大な量のセメントを使うことになるとあって、九州経済連合会の会長を麻生太郎副総理兼財務相の実弟の麻生泰・麻生セメント社長が務めることと絡め、予算獲得への思惑を論じる向きもある。

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