2024年 4月 19日 (金)

おみやげの「牛丼お食事券」配布取りやめ そのせいか吉野家株主総会、出席者激減

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   2014年5月22日に開かれた吉野家ホールディングス(HD)の株主総会に出席した株主が、前年の3分の1に激減した。

   その理由が、株主総会のおみやげに配られていた、恒例の「牛丼お食事券」の配布を取りやめたから、といわれているのだ。

「これくらいのお土産やめなくてもいいのに…」

吉野家HDは株主総会のおみやげ、「牛丼お食事券」の配布を取りやめた(画像は、吉野家HDのホームページ)
吉野家HDは株主総会のおみやげ、「牛丼お食事券」の配布を取りやめた(画像は、吉野家HDのホームページ)

   吉野家HDの株主総会は2014年5月22日、東京・中野サンプラザで開かれた。同社の14年2月期連結決算は、最終利益で前期の赤字から6億9800万円の黒字を確保。業績回復を果たした。

   ところが、この日集まった株主は約1000人。13年は会場に入りきれないほどの約3300人が集まったというから、激減といっていい。

   さらに、会場の雰囲気は少しばかりピリピリしていたようで、株主総会に出席した、ある個人投資家はそのようすを「株主様は何故かご立腹のようでw」と、ブログで伝えている。

   その原因を、「牛丼お食事券(2枚)」のおみやげが取りやめになったことにある、とみる向きは少なくないようだ。

   吉野家HDで「お食事券」が毎年配られるようになったのは2004年から。「このときは米国でのBSE問題もあって、『豚丼お試し券』を配布しました。それ以前も、配布したことはあったようですが、毎年ということではなかったようです」という。

   とはいえ、「牛丼お食事券」は個人投資家のあいだで評判だったようで、楽しみにしていた株主はショックを隠せない。

   カリスマ投資家の内田衛氏は5月29日配信の東洋経済オンラインで、「なぜだ!吉野家が株主総会のお土産取りやめ せっかく業績も改善してきているのに…」の見出しで取り上げ、「業績が改善傾向なのに、これくらいのお土産やめなくてもいいのに」と、書いている。

   内田氏のみならず、「なぜ?」と思った投資家は多かった。配布取りやめについて、吉野家HDは株主に宛てた株主総会の招集通知で知らせていたが、それを見て同社には多くの問い合わせが寄せられた。「株主優待の廃止と勘違いしている人もいましたが、それでもかなりの問い合わせがありました」と話す。

   総会当日も、複数の株主から「なぜ、やめたのか」「いったい、どうしたんだ!」との質問があり、そのたびに株主から拍手が起こったというから、株主にとっては心穏やかでない、「大問題」だったことは間違いないようだ。

総会出席者の激減、配布取りやめとの関係「ゼロではない」

   J-CASTニュースは改めて、「なぜ、取りやめたのか」、聞いてみた。

   吉野家HDは、「20万人以上の個人株主がいるなかで、総会当日はさまざまな理由から出席できない方のほうが多いのが現実です。そのため、出席できなかった株主との公平性の観点から取りやめることにしました」と、説明している。

   また、株主総会への出席者が3分の1に減ってしまった原因について、「なんとも言えませんが、(牛丼お食事券の配布取りやめとの関係が)ゼロではないと考えています」と、答えた。今後については、「なんとも申し上げられません」という。

   株主総会で「おみやげ」を配っている上場企業は少なくない。たとえば、明治HDや森永製菓、キリンHDにしまむら、セブン&アイHDなどは、自社製品などの詰め合わせを、日本郵船や双日、富士通などは自社のロゴ入りのタオルやお菓子を、三菱重工業などは博物館のペアチケットなどと、枚挙にいとまがなく、またどこも工夫しながら用意している。

   「おみやげ」とはいえないが、じつは2011年から、浜崎あゆみやTRFら所属アーティストが出演する「株主限定ライブ」を中止したエイベックス・グループHDでも、それ以降、株主総会に出席する株主が減ってきているようで、会場が小さくなっている。

   同社の株主総会では、13年も「株主限定ライブの復活」を望む声が出たが、同社は「復活してほしいという声が多いことは大変ありがたい」としながらも、「継続的に検討していく」と引き取っている。

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