2024年 5月 3日 (金)

第一生命が米中堅生保を買収した理由 保険料収入で日本生命と肩を並べる

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日生「国内ガリバー」揺るがず

   日本生命も、成長市場のアジアなどへの展開を加速させてはいる。5月下旬には、インドネシアの生命保険会社セクイスライフへ約430億円を出資することで合意し、アジアの主要市場をカバーする体制をほぼ整えた。しかし、セクイスライフ社への出資比率は実質20%にとどまるなど、過去の海外展開はいずれも配当目的の投資にすぎない。「相互扶助」を理念とし、契約者自身を「会社の持ち主」と位置づける相互会社では、「企業買収に使う資金があるなら契約者への還元に回すべきだ」という圧力が強く働くうえ、株式会社のように市場から機動的に資金を調達するのも難しいためだ。

   第一生命が株式会社に転換した後も、日本生命は一貫して「長期安定経営を実現し、顧客の利益を第一に考えるためには、相互会社の形態が最適」と主張してきた。日本生命の個人保険の保有契約高は約150兆円と、第一生命の約128兆円を大きく上回る。総資産も第一生命(約34兆円)の約1.6倍に当たる約56兆円に達し、国内の「ガリバー」の地位は揺らいでいない。第一生命が海外子会社を含めた規模で日本生命を上回るとしても、国内での差を縮めるのは容易ではない。

   日本生命は今回の第一生命の巨額買収にも、表面上は平静を装っている。ただ、国内市場は飽和状態で、今後は少子高齢化による縮小も加速するため、心中は穏やかでないはずだ。日本生命、第一生命の次の一手が注目される。

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