2024年 4月 30日 (火)

連載・世襲政治に未来はあるのか(2)
いまだに福田、小渕、中曽根ファミリー... 「世襲なぜ悪い」「全然気にしてない」という風土

小選挙区制になって、世襲の様相も変わる

   有権者も、ファミリーに仕えていた親の影響で世襲が当たり前と思うようになるらしい。福田達夫氏を支援している高崎市内のある主婦(57)は、「小さいときから両親が福田家をずっと応援していて、自然と自分も応援するようになっています」と話す。

   確かに、取材を続けていても、世襲候補は、「信頼できる」「安心感がある」などと支持は高かった。ただ、地元でも、世襲への批判の声はあった。

   世襲候補が街頭演説した富岡市内の上州富岡駅前で取材すると、無職女性(66)は、「自分たちの仲間内がよければいいだけで、年金生活者など下の立場の人たちのことを考えてくれない」と不満を示した。専門学校生の女性(20)は、「トップの人が責任を持たない問題点も見えてきました。今回は、票を入れるのを止めようかなと思います」と漏らしていた。

   また、小選挙区制になって、世襲の様相も変わりつつある。

   民主党が政権を取った2009年の衆院選では、首相経験のある福田康夫氏が群馬4区で民主候補に苦戦した。1、2、3区は、民主党に議席を奪われてしまった。また、かつて上州戦争を繰り広げた福田、中曽根、小渕の各陣営は、選挙区が分割されるなどして、県内での組織弱体化も指摘されている。いつまでも世襲を続けていると、時代に取り残されてしまう恐れもあるかもしれない。

   しかし、各陣営の関係者は、それでも強気の姿勢を崩さない。

   小渕優子氏(41)陣営の平田英勝選対幹事長は、「世襲は、悪いのですか? だからと言って、偉ぶったりしませんし。こちらは全然気にしていないですね」と言う。福田達夫氏陣営でも、応援に来ていた国会事務所の秘書が「地元では、世襲を意識している人はいないですよ。『なぜ悪いのか』という人が多いんです。群馬では、カルチャーとして、親の仕事を継ぐのが普通だと聞いていますから」と話した。

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