2018年 11月 16日 (金)

「風刺画ならば許される」は欧米の「おごり」? 日本のネット、米国の一部でも「シャルリ」に疑問の声 

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   フランスで風刺画家5人を含む12人が殺害されたテロ事件から1週間。襲撃された風刺専門紙「シャルリ・エブド」が事件後初となる特別号の表紙に、イスラム教の預言者・ムハンマドとみられる男性の風刺画を再び掲載した。

   特別号の発行部数は300万部。諸外国から引き合いがあったことから、フランス語のほか、英語やアラビア語など16の言語に翻訳され、25か国で発売されるという。

風刺画、15億人のイスラム教徒に対する「不当な挑発」

フランスでは「表現の自由」を訴え、370万人のも大規模デモが...(画像は、イメージ)
フランスでは「表現の自由」を訴え、370万人のも大規模デモが...(画像は、イメージ)

   「シャルリ・エブド」(2015年1月14日発売)の風刺画は、「すべては許される」とのメッセージの下で、「私はシャルリ」と書かれたプラカードを掲げながら涙を流すイスラム教の預言者・ムハンマドを描いた。

   一連のテロ事件を受けて、パリを含めたフランス全土で370万人が参加したとされる大規模デモは、表現の自由、報道の自由を求めて、「私はシャルリ」とのメッセージとともに同紙との連帯を示す運動として世界中に広がっている。

   とはいえ、一方でシャルリ・エブドが再びムハンマドの風刺画を掲載したことで、預言者をいかなる方法でも描いてはいけないと信じる一部の敬虔なイスラム教徒の反発が強まる可能性がある。

   地元メディアなどによると、最新号の風刺画に対してイスラム教の大国のひとつであるエジプトは「預言者を敬愛する15億人のイスラム教徒に対する不当な挑発である」としたうえで、「新たな憎悪を引き起こしかねない」と非難。また、イスラム教スンニ派の最高権威機関が「こうした侮辱に対しては反応せず、無視することが望ましい。もし反応するなら、攻撃という方法を取るべきではない」と自制を呼びかけた。

   そもそも、1月7日のテロ事件はイスラム過激派の犯行だが、これまでイスラム教の予言者・ムハンマドの挑発的な風刺画などを掲載してきたのは「シャルリ・エブド」のほうだ。

   同紙はそのたびにイスラム教徒から反感を買っていたが、それを意に介せず、さらに繰り返していたとされる。犯行は、当初からその報復行為ではないかとみられてもいた。

   2011年には、預言者・ムハンマドが「笑い死にしなければ、むち打ち100回の刑だ」と言っている風刺画や、ムハンマドを同性愛者として描いた風刺画を掲載。それにより、同紙の事務所に火炎瓶が投げ込まれたり、同紙のウェブサイトがハッカーの被害を受けたりする事件が起きていた。

   イスラム教徒の「怒り」は、蓄積されていたのかもしれない。

フランスの風刺画は「弱者もブラックユーモアのネタにする」

   日本のインターネット上でも、

「こんなのやられて当然じゃん...」
「ジョークだからセーフ、風刺だからセーフ・・・ セーフなわけ無いんだよなぁ」
「これフランス風刺がアホや。書く権利はあるかもしれんが普通ならその宗教尊重して、書かんやろ」
「イスラム過激派がクソって分かるけど、フランスがまいたタネってのも分かる」

といった、「表現の自由」を尊重しつつ、行き過ぎた風刺への批判の声も寄せられている。

   一般に、日本人には「他の宗教をからかうのはマズイ」という感覚が少なからずあるからかもしれない。

   今回のテロ事件で殺害された風刺画家の中には、2020年の東京五輪が決まった直後にフランスの週刊紙「カナール・アンシェネ」が日本で五輪が開催されることを皮肉った、福島第一原発の放射能汚染で手や足が3本になった力士が相撲を取る風刺画を掲載した画家もいたとされる。

   2013年当時、この風刺画に不快な思いをした日本人は少なくなく、菅義偉官房長官は「東日本大震災で被災した方々の気持ちを傷つける。汚染水問題について誤った印象を与える不適切な報道」と抗議。これにカナール・アンシェネは「いささかも良心に反するところはない」と述べ、なんと日本人のユーモアのセンスのなさを嘆いた。

   フランスでは滑稽でひどく残酷な風刺画が発達してきた歴史がある。誰かの悲劇や苦境をからかうのも「表現の自由」の一部と考えられていて、権力者を皮肉るだけにとどまらず、弱者もブラックユーモアのネタにされる。

「『私はシャルリ・エブド』と主張するのは誤りである」

   ニューヨーク・タイムズの保守派のコラムニスト、ディヴィッド・ブルックス氏も1月8日付で、「私はシャルリ・エブドではない」と題して、

「われわれのほとんどが『私はシャルリ・エブド』と主張するのは誤りである。そもそも、われわれのほとんどは、あの雑誌が得意としていたような意図的に不快感を生むような類のユーモアを楽しむような人間ではない」

と記している。「行き過ぎた」表現の自由を、怪訝に思っているようだ。

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