2024年 5月 6日 (月)

政府、地方創生へ新交付金4200億円 大手紙「ばらまき」を懸念する論評

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「ふるさと創生」や「地域振興券」の総括なし

   過去には竹下登内閣が1980年代末に「ふるさと創生事業」として全国の市区町村に1億円ずつ交付したが、純金のオブジェになるなど「無駄な支出に使われて終わった」との批判が強い。小渕恵三内閣は1990年代末、15歳以下の子供がいる家族と65歳以上の高齢者らに対し、1人2万円分の商品券である「地域振興券」を配布したが、当時の政府試算でも、新たな消費を生み出す効果は使用額の約32%にとどまった。今回の対策で、こうした効果についての議論はなかった。

   内閣府は今回の経済対策で国内総生産(GDP)を0.7%分押し上げると試算するが、原油安のプラス効果なども含め、エコノミストの間では「すでに10~12月期はプラス成長に転じた」との見方が多い。消費税再増税を延期して財政状況が厳しさを増す中、「住宅エコポイント」(最大45万円分)制度の復活や、運送業者などを対象にした高速道路料金の最大5割の割引(2015年3月末まで)の延長などを含め、「ここまでの対策が必要なのか」(経済官庁幹部)との声もくすぶる。

   このため、大手紙の論調も概して厳しい。毎日社説は「必要性も効果も疑問だ」と題して「メニューには場当たり的な事業が並び、アベノミクスが目指す成長戦略にどれだけ役立つのか疑問が募る」とバッサリ。日経社説も「バラマキの懸念はないか」と題して「原油安の利点はいわず、円安の負の側面だけを強調してメニューを上積みするのは理解に苦しむ」「気がかりなのは、災害対策の名目で従来型の公共事業が紛れ込みそうなことだ」などと具体的な懸念材料を列挙し、「不要不急の事業にまでバラマキをしようとしているとの懸念を払拭できない」と批判している(12月28日朝刊)。

   安倍内閣に理解がある読売社説も、「地方バラマキの思惑はないか」と題して「景気の下支えを名目にバラマキ策が紛れ込む懸念は拭えない」(12月29日朝刊)と疑問を呈し、社説に相当する「主張」欄で取り上げた産経も「再加速の足がかりとせよ」と肯定的な見出しをつけつつ、「即効性を期待してメニューを並べたことは分かるが、その多くは効果が一時的で限定的なものであることには留意が必要だ」(12月28日朝刊)と、くぎを刺している。

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