2020年 7月 11日 (土)

高橋洋一の霞ヶ関ウォッチ
「報ステ」のISIL特集みてびっくり 「テロの一面に理解を寄せた」印象だ

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世界の報道番組では、テロは無条件にノー

   筆者の知っている世界の報道番組では、テロは無条件にノーだ。そうであるので、ISILの広報を放送することはまずないし、ISILのいかなるテロも完全否定で正当化する余地はない、ISILの意見に耳を傾けさせることはきわめて危険だ、というのが常識だ。もちろん、ISILに関わる歴史的経緯は知っていても、ISILのテロを容認するためには一切使わないのはいうまでもない。

   こうした世界の常識からみれば、報道ステーションの特集は全くずれていて、大きな違和感があった。外ではテロをおこし、内では人質をとり身代金を要求し殺害するISILの行為は、いかなる理由があっても、どのような角度からみても、容認できないものだ。

   このほかにも、マスコミ報道を見ていると、今の時期にどうかなというものがある。今回の事件で、テロ批判は脇におき、安倍政権批判に終始するのだ。

   もちろん、政権批判は必要である。しかし、今回の事件の場合、ISILの脅しやその存在のPRによって日本国民を動揺させ、国民を分断させる目的もあろう。共産党の志位和夫委員長までも、「政府が全力を挙げて取り組んでいる最中だ」として、(この問題で)安倍政権批判をした議員に苦言を呈した。

   安倍政権を批判するなら、事件が終わったあとにやるべきであって、今の時期に、政権批判をしたら、ISILの思うつぼにはまるのではないか。

   いずれにしても、テロリストの言い分を一部正当化したり、無批判で流したり、政権批判のために利用したりすることは、実質的に国民を脅かす行為と言っていい。少なくとも今の時期にやるべきことではない。


++ 高橋洋一プロフィール
高橋洋一(たかはし よういち) 元内閣参事官、現「政策工房」会長
1955年生まれ。80年に大蔵省に入省、2006年からは内閣参事官も務めた。07年、いわゆる「埋蔵金」を指摘し注目された。08年に退官。10年から嘉悦大学教授。著書に「さらば財務省!」、「日本は財政危機ではない!」、「恐慌は日本の大チャンス」(いずれも講談社)など。


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