2024年 5月 3日 (金)

学校プールで飛び込み事故続発 専門家から「全面禁止」求める声

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「水中からのスタート」イコール「飛び込み禁止」ではない

   とはいえ、文部科学省は「(学習指導要領には)『飛び込み禁止』とは書いていません。『水中からのスタート』を指導するようにしています」と説明。安全への配慮も含め、「プールには静かに入るよう指導しているはずです」と話す。

   たしかに、学習指導要領を解説する「水泳指導の手引」によれば、スタート時の指導について、小学校では「水中からのスタート」、中学校は「泳法との関連において水中からのスタート及びターンを取り上げる」とされ、「飛び込みスタート」については、高校で初めて「段階的な指導を行うとともに安全を十分に確保すること」と記している。

   文科省の説明によると、「水中からのスタート」イコール「飛び込み禁止」ではないということのようだ。

   ただ、「ふだん飛び込みの練習をしていないはずですから、水泳大会などのスタート時に飛び込みをするとは考えにくい」ともいう。「学校では、学年や体格、泳力などを考えて、それに応じた対応を図るよう、安全に万全を期すよう注意しています」と強調する。

   そうしたなか、名古屋大学大学院教育発達科学研究科の内田良准教授が、2015年7月19日付のBLOGOSで、「学校のプールでまた飛び込み事故 授業では全面禁止を!!」と呼びかけ、ネットで話題になっている。

   内田氏は、繰り返される学校のプールでの飛び込み事故に、「いったい何回『コピペ』の事故が続けばよいのだろう」と訴えた。

   これにインターネットでは、

「これは知らんかった。なにか改善策が必要ですね」
「学校のプールを深くしたらしたで危なそうだしね」
「これは禁止したほうがいいな」

といった「禁止」に賛同する声と、

「指導者のいない時間帯や指導者の言うことを聞かない子は必ずいるので、事故は起こるよ。何でもダメダメいいよったら、何もできない子になるんじゃないかな?」
「私の中学のときは、飛び込み指導はありませんでした。むしろするなと注意されていました」

など、指導が行き届いている学校があることや「飛び込み禁止」に否定的な声も寄せられている。

   内田准教授は、「体育の授業だけでなく、水泳部の部員などの飛び込みがうまいと思われる人も事故に遭っていることを考えると、やはり学校のプールの水深が浅いことが問題なのだと思います」と話す。そのうえで、「五輪をめざす選手もいますから、部活で飛び込みをやめるべきとはいいません。ただ、深いプールを借りるなど手当てして、少なくとも学校のプールではやめたほうがいいと考えています」という。

   ちなみに、文科省はプール授業での「飛び込みの全面禁止」について、「そういった議論はしていません」と言いきった。

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