2024年 5月 6日 (月)

2020年度にGDP600兆円は「ありえない」数字? 安倍首相の新「3本の矢」はどこまで飛ぶか

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親安倍派メディアも厳しいトーン

   こんな新3本の矢だけに、経済界は、経済優先の姿勢を歓迎しつつも、具体策を明確にするよう求めている。中でも、GDP600兆円には「あり得ない数値だ。政治的メッセージとしか思えない」(小林喜光・経済同友会の表幹事の9月29日の記者会見)、「現実的にはちょっと無理だ」(三村明夫・日本商工会議所会頭の10月1日の記者会見)と、首をかしげる向きが多い。

   与党内からも、野田聖子・自民党前総務会長が新3本の矢について「いかにもアバウトだ」と批判している(10月2日のBS番組の収録)。

   新聞論調は概して厳しい。朝日の社説(9月26日)は「3%成長は至難の業」として、GDPや出生率の数値など「言葉だけが躍る観は否めない」、毎日社説(30日)も「見栄えのするスローガンを並べたに過ぎない」として「目先を変えようとしているのでは」と批判的に論評。両紙は共通して、第2ステージに進む前提として従来の政策、つまりアベノミクス第1ステージの「総括が欠かせない」という点も指摘している。社説に取り上げていないが、日経も解説記事などで、「かすむ成長戦略」「財源はどこに」(いずれも25日朝刊3面)などの見出しを掲げ、参院選にらみの経済政策重視姿勢に「実効性を伴っていない」と指摘。

   安倍政権を支持してきた読売の社説(25日)は、「成長戦略は目に見える結果を出していない」としながらも、むしろ「社会保障を重視する姿勢は評価できる」と精一杯持ち上げている。ただ、2面の解説記事では、さすがにGDP600兆円について「自民党内から早くも『絵に描いた餅』だとの指摘も出ている」と、珍しく批判的だ。同じ親安倍の産経は、経済の現状の厳しさを指摘し、GDP600兆円について、「本当に3%以上の高い成長が続くのか......懸念を払拭する政策こそが大切」としたうえで、「首相発言を受け、与党では来夏の参院選を見据えてバラ色の政策に期待する声が強まろう。だが、現実を糊塗(こと)するような政策を連ねても国民の理解は深まるまい」と、他紙以上に厳しいトーンで論じている。

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