2018年 10月 23日 (火)

大震災から5年、被災地で「幽霊」目撃談が絶えない メディアも相次ぎ報道する背景とは

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   東日本大震災から間もなく5年を迎えるが、被災地の人たちは、今も「死の重み」に向かい続けている。各地で亡くなった人の幽霊を見たという目撃談も絶えない。

   そうした中、東北学院大の女子学生(22)が卒論で「震災霊」現象を取り上げたことが、ネットで大きな話題になっている。

  • 大学生が「震災霊」現象を分析
    大学生が「震災霊」現象を分析

大学生が卒論で「震災霊」取り上げる

   朝日新聞の2016年1月20日付記事によると、この女子学生は、所属する社会学ゼミの仲間と「震災による死」をテーマにフィールドワークを重ねた。特に、幽霊の目撃談に興味を持ち、宮城県石巻市のタクシー運転手に絞って100人以上にインタビューを試みた。

   うち7人から体験談を引き出せたといい、ある50代の運転手は、震災後の初夏に不思議なことがあったと打ち明けた。季節外れのコート姿の女性客が、石巻駅近くで乗り込んだが、震災で更地になった場所に行くよう告げた。運転手が聞き返すと、女性は「私は死んだのですか」と声を震わせたといい、振り向いたときにはすでに誰も座っていなかったというのだ。

   また、40代の運転手は、夏なのに厚手のコートを着た若い男性客を乗せた。行き先を聞くと、山の名前しか言わず、到着するともう姿は見えなかったという。津波で身内を亡くしたある運転手は、幽霊が出たとしても「また乗せるよ」と言っていた。

   これらの乗車はメーター記録に残されているといい、「幽霊は無賃乗車扱いになり、運転手が代金を弁償する」と記事では紹介している。ゼミ生らの卒論は、「呼び覚まされる霊性の震災学」の本として新曜社から20日に出版された。

   幽霊の目撃談については、震災後から被災地で相次いでいる。

「心が日常を取り戻す修復過程の副作用」?

   朝日新聞の12年11月19日付記事によると、被災者の悩みを聞くボランティア活動をしている僧侶は、被災者からの幽霊目撃談をいくつも聞いたと明かした。勤め先の関係者を津波で亡くしたある男性からは、「車で通ると、なにか黒いものが見えて、ゾクッと寒気がする」と相談を受け、親族を同様に津波で亡くした10代の少女は、「おじさんがソファに座っている」と打ち明けたという。

   13年8月23日には、NHKスペシャルも「亡き人との再会」という特集を組んだ。被災地では、「故人と再会した」「声を聞いた」「気配を感じた」といった体験を語る人が後を絶たないとし、医学界でも、こうした数多くの事例報告を受けて、専門家による調査も始まったと紹介した。番組では、被災者らの体験は、「故人に一目会いたい」「死を受け入れたくない」「自分だけ生き残って申し訳ない」といった悲しみの現れであると指摘していた。

   放送後は、「NHKがオカルト的なものを扱っていいのか」とネット上で疑問の声も出たが、被災地で「震災霊」現象の体験談が多いのは事実のようだ。

   ネット上では、目撃談が相次ぐことについて、「幽霊は心が日常を取り戻す修復過程の副作用」「記憶が浄化される過程でよくみられる現象」といった指摘も出ている。

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