スター選手を形容する「ロックスター」と米国のメディアに例えられた日本ハムの大谷翔平。大手メディアが「TwoWayPlayer」と紹介し、さらに「日本選手で最も大リーグが注目する選手」と素質を認めている。その大谷がいま、体重増に取り組んでいるのだが、それが吉と出るか、凶と出るか、と話題になっている。「世界で最も才能のある投手だ」アリゾナキャンプでの大谷は、大リーグのスカウトたちから最大限の評価を受けた。練習試合(2016年2月10日)で2イニングを投げ、4三振を奪ったピッチングに驚きの声が上がった。「別格だよ」「世界で最も才能のある投手だ」時速157㌔の速球を目の前で見て、だれもが「今すぐ欲しい」と口をそろえた。現在契約すれば「2億ドル(222億円)」と値をつけた。さらに「その後、FA権を得たら3億ドル(333億円)の契約だろう」という。「そう、大リーグに来れば、彼は5億ドル(555億円)稼げるということだ」こう言い切ったのはサンフランシスコ・ジャイアンツのスカウトである。そのほかのスカウトも同じような条件だった。だれもがうらやむ大器なのだが、本人はさらに成長を目指している。それが「体重100キロ超え」だ。昨年は93~94キロだった。栄養補助食品大手メーカーとアドバイザリー契約を交わし、栄養学にのめり込んでいるという。本塁打増産のためのパワーアップこの「体重増作戦」が話題になっているのだ。大谷は2015年、投手に専念した。結果は15勝、防御率2.24、勝率7割5分の成績を挙げ、この3タイトルを手にした。登板22試合での数字だから中身は本当に濃いものだった。今シーズンは再び二刀流でプレーしたいようである。体重の目標は、打者としてホームランを増加させるためのパワーアップが狙いなのだろう。おそらく、20勝-20本塁打を胸に秘めているのではないか。ただ、体重増はピッチングに影響しないか、との声がある。「パワーアップして球威をつけようと筋トレをして、逆におかしくなった投手は過去に何人かいる。自然増はいいのだろうが、急激増はいい効果にならないのではないか」こう懸念する専門家もいる。体重増というと大相撲の力士が浮かぶが、それでも「大きく成り過ぎは逆に負担になる」という。つまり、バランスが取れなくなるのだ。大谷もそれは分かっているらしく、バランスを口にしている。吉と出るか、凶と出るか、今シーズン最も注目される選手であることは間違いない。(敬称略 スポーツジャーナリスト・菅谷 齊)
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