2024年 4月 25日 (木)

エゴマ油 認知症患者の記憶力も改善する最強オイル 大さじ1杯で生活習慣病、がん予防まで

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   エゴマは青ジソに似たシソ科の植物だ。葉は香草として韓国料理によく使われる。この種子を搾って作られる油が「エゴマ油」だ。東北地方では昔から色々な料理にかけてきたが、食べると10年長生きできるというので、「ジュウネン」と呼ばれてきた。

   エゴマ油には、いま医学界が注目している「α(アルファ)リノレン酸」という脂肪酸が油成分の60%も含まれている。このαリノレン酸がいかにすごいパワーを持っているか、最新の3つの研究を紹介しよう。

  • エゴマ油は色々な料理にかけて使おう
    エゴマ油は色々な料理にかけて使おう
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魔法の成分「αリノレン酸」が「血管の万能薬」に変わる

   2016年2月、ドイツ・ベルリン医科大学の発表によると、αリノレン酸をアルツハイマー病の患者に6か月間飲ませると、記憶力が改善した。アルツハイマー病などの認知症は、現在、治療方法が確立されていない。いったん発症したら、対処療法で進行を遅らせるしかないのが現状だが、記憶テストの成績が向上したとは驚きだ。ただし、言語能力には改善はみられなかった。

   同じく2016年2月、米ハーバード大学公衆衛生大学院の発表によると、10年間にわたって5万人以上の女性を対象にした調査では、とりすぎは体によくないリノール酸(大豆油などに多い)を控えてαリノレン酸を多くとると、うつ病になる人が少なくなった。

   2015年7月、医薬基盤・健康栄養研究所(大阪府茨木市)の発表によると、マウスの実験でαリノレン酸に食物アレルギーを防ぐ効果があることをわかった。遺伝子操作で食物アレルギーを持つマウスをつくり、エサの中にαリノレン酸を混ぜると、食物アレルギーに伴う下痢の発症率が、普通のエサを食べたマウスに比べ10分の1に減った。

   なぜ、αリノレン酸はこれほどの力をひめているのか。専門医のサイトをみるとこう説明している。αリノレン酸は体内に入ると、EPA(エイコサペンタエン酸)とDHA(ドコサヘキサエン酸)に変わる。EPAとDHAは「血管の万能薬」といわれ、ともに青魚にたくさん含まれており、コレステロール値を下げ、血液をサラサラにする働きがあるのでご存知の人も多いだろう。動脈硬化や高脂血症、糖尿病などの生活習慣病を防ぐ効果があるのだ。

   厚生労働省は健康の目安として1日にとりたいαリノレン酸の量を2グラムと定めている。それを魚でとろうとすると、サバ半尾以上を食べなくてはならないが、エゴマ油だと大さじ1杯程度ですむ。

加熱すると効力がなくなるのでドレッシングに

   藤田紘一郎・東京医科歯科大学名誉教授の著書「危ない油と健康になるオイル」によると、αリノレン酸にはほかにも次のような働きがある。

   (1)「幸せホルモン」と呼ばれるセロトニンの分泌を促すため、不安感が解消されてヤル気が出る。脳が活性化して、うつ病の予防効果につながる。ハーバード大学の研究成果はこれだ。

   (2)脳の神経伝達を担う受容体が、αリノレン酸で構成されているため、脳の情報伝達にはαリノレン酸が欠かせない。だから、αリノレン酸を積極的にとると、認知症予防になり、子どもの学習能力や記憶力アップにもなる。昔から「魚を食べる子は頭がよくなる」と言われたのはこのためだ。

   さて、エゴマ油はどのように食べたらよいのだろうか。2015年2月24日放送のテレビ朝日系「林修の今でしょ!」で、エゴマ油の効果的な食べ方を特集していた。エゴマ油は熱に弱いので、加熱するとαリノレン酸が壊れてしまい効力が失われる。だから調理には向かず、ドレッシングとして料理に振りかける使い方がいい。「油ドクター」こと井上浩義・慶応義塾大教授のオススメは、「卵かけご飯」にエゴマ油を小さじ1杯かけるというもの。

「脳の神経細胞同士をつないでいる物質は、タンパク質の中のアミノ酸で作られています。αリノレン酸が脳の神経細胞を活性化させるのに加え、卵のタンパク質を与えてあげることで脳がもっと活発になるのです」

   さらに、みそ汁にかけるのもいいそうだ。お椀に注ぐみそ汁程度の熱ではαリノレン酸は壊れない。みそ汁に含まれる大豆成分のレシチンは、脳の働きを高めるので、みそ汁とエゴマ油の組み合わせは脳に最高なのだ。

   このほか番組では次のような食べ方も紹介していた。

   (1)鶏の胸肉をゆでてエゴマ油をかけ、好きな味付けで食べる。

   (2)ホウレンソウやキンピラゴボウをエゴマ油で和える。

   (3)サラダにかける。ダイコンおろしに加える。

酸化しやすいので、冷蔵庫に入れて保存する

   エゴマ油は酸化しやすいので、冷蔵庫に入れて保存するのが鉄則だ。

   最後に、αリノレン酸以外の成分でもエゴマ油に驚く効果があることが、最近わかったので紹介しよう。2015年10月、名古屋市立大学の研究チームが、エゴマ油に多く含まれるポリフェノールの1つ「ルテオリン」に肝細胞のがん化を防ぐ効果があることを発見した。ルテオリンには非常に強い抗酸化作用があることに着目、脂肪肝にかかっているラットに食べさせると、脂肪肝の進行が遅れたばかりか、がん化する可能性のある細胞が半分以上も減った。

   以前からエゴマ油にはがんの抑制効果があることが知られていたが、その理由がはっきりしたわけだ。

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