人気ゲーム「ポケモンGO」のユーザーから「データが初期化されてしまった」という報告がインターネット上に相次いでいる。きっかけは、2016年7月31日のアップデートだ。iOS版ユーザーがポケモンGOアップデート後に立ち上げたところ、「ゼロからのスタートになってしまった」というもので、混乱が広がっている。だが、解決策を講じれば元通りになる。複数のGoogleアカウントが「落とし穴」「ポケモンGOのデータ消えたああああああああああああああ」「まじなんなんほんま。また最初からとかたまらんで」「最悪、普通に最悪すぎて私も消えそう」「目の前がまっくらになった」ツイッター上ではポケモンGOユーザーのこんな阿鼻叫喚がこだましている。被害を訴えているのは、iOS版アプリの一部のユーザーたちだ。31日にアップデートされたポケモンGO「version0.31.0」を起動すると、最初にログイン画面が表示される。彼らはここでサインインを済ませ、ゲームを再開しようとした。しかし、サインイン後の画面にはなぜかウィロー博士が登場。チュートリアルが始まり、流れに従って設定を進めた結果、プレーヤーレベルは1、捕獲ポケモンは最初の1匹のみに。――初期状態に戻ってしまった、というわけだ。7月22日のリリースから約1週間。真夏の太陽の下、ポケモンを探して街中を歩き回ったユーザーも少なくないだろう。それが一瞬にして初期化されたとなれば、ショックと悲しみは計り知れない。「被害者」は相当数いたようで、31日以降、iOS版アプリのレビューは星1つが一気に増加した。8月1日現在、総合レビューは5点中1.5点の低評価だ。しかし、データは本当に消えてしまったわけではない。実は、登録時と異なるGoogleアカウントでサインインしてしまったことによるユーザーの勘違いだったのだ。本来のアカウントでサインインすれば復旧できるポケモンGOで遊ぶには「ポケモントレーナークラブ」のアカウントか、Googleアカウントが必要になる。後者で登録していたユーザーがアップデート後のサインイン画面でGoogleボタンを選択すると、ブラウザ経由の認証画面が表示される。この時、画面右上にはサインインに使用するGoogleアカウントが表示されるのだが、アカウントを複数持っている場合、これがポケモンGOに使用していたアカウントになっているとは限らない。それに気付かないまま異なるアカウントで「許可」ボタンをタップした場合、新たなアカウントで登録したこととなり、ゲームが最初から始まってしまうのだ。仮にゼロからのスタートになってしまった場合でもデータは復旧可能だ。チュートリアル終了後に設定画面からサインアウトを選択し、その後、本来のアカウントでサインインし直せば元通りになる。アプリを再インストールする方法もある。ポケモンGOの国内配信がスタートする前、ニュースサイト等では個人情報保護の観点から別のGoogleアカウントを作成するよう勧める記事がいくつもみられた。被害者続出の背景には、そうした記事の影響があったのかもしれない。騒動を受け、開発元のNiantic(ナイアンティック)社も公式サイト上で解決策を発表している。
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